おしゃれな美容師さんは、どうやって服を選んでいる? 個性&センス抜群の美容師が語るファッションの力「NOBU’S KITCHEN」Vol.16ゲストwhyte中島潮里さん、THE REMMY倉田聡子さん【前編】
ファッションも、自分の殻を破ることが大切!?
――今日は、個性的なセンスをお持ちの女性美容師二名をお迎えして、ファッションについて語り合っていただこうという企画です。
NOBU:二人とも個性的だよね。
美容学校生や服飾系の専門学校生ってやっぱり個性的だけど、仕事をしはじめると一般受けを狙うようになったり、店のコンセプトに合ったファッションにシフトしたりするという女性美容師さんも多い。そんな中で今日の二人は自分の道をずっと貫いているように見えます。
倉田さんの今日のコーディネートなんて、グレーのつなぎににタイダイのインナー、プラスサファリっぽい帽子だもんね。オッサンの俺にはマネできないし、そういうセンスがあるのって羨ましいよ!
――ゲストのお二人は、どういったところからファッションのインスピレーションを得ることが多いですか?
中島:海外に行って、インスピレーションを得ることが多いですね。
私は、アシスタントのときはすごく地味だったんですよ。白とか薄い色の服ばかり着ていて、髪もブリーチ一回にアッシュかベージュのナチュラル系。でも、なんとかお客さまや周りの人に覚えていただこうと思って、当時の自分では選ばない、あえて自分らしくない服を着るというチャレンジを毎年していたんです。それでどんどん色がある服を着るようになりました。
ただ、最近はミニマリスト的というか、服を大切に着ようと思っていて。たくさん服を買うのは控えてますね。それでも人に見られる仕事なのでちゃんと自分なりのファッションスタイルをうち出すことと、おしゃれさっていうのを忘れないようにしています。
倉田:今日はファッションの話をするということで呼んでいただいていますけど、私は未だに何が正しいのか迷いながら着ている感じなんですよ。
これはお客さんに勧められた服、これはスタッフから勧められた服、とかそういう服を着ていることが多いんです。何かを参考にして似合うビジュアルだったらいいんですけど、有名アパレルショップの公式サイトでスタッフさんの着こなしを見ても、「いや、顔が違う!」とかなっちゃって。
だから、周りの人に勧められたショップに行ってみて、その中で自分が好きかもって思うものをまずは一個買ってみる感じです。
中島:自分で選ぶときは、サスティナブルなものを使っているアイテムなど、素材にこだわることが多いですね。ファッションの背景を知るのがすごく好きなのもありますし、自然の素材を使って人が手をかけて作ったものは長持ちするのが多い。そういったものを大切にしたいなと思うようになりました。
NOBU:無駄にするのは俺も嫌いだから、ハイブランドなんかはシーズンが終わったら後輩にあげることが多いですよ。下積み時代はお金もないだろうから、それでテンション上がってくれるなら嬉しいです。
中島:私も人に譲ることもありますが、1シーズンでっていうのはすごいですね!
――コーディネートは、いつどうやって組み立てていますか?
倉田:私は、その日の予約を見て決めますね。そのお客さんが前回来たときに着ていた服は着ないようにしています。インスタで写真を撮ってるからかもしれませんが、不思議と前回何を着ていたかって覚えているんですよ。
あと、大人世代のお客さまがいらっしゃる日は「靴はきちんとしたものにしよう」とか、気をつけていますね。自分の好きな服を着るっていうよりは、その日のお客さまの顔を思い浮かべて決めています。
と、みなさまのファッションへのこだわりに触れて、前編は終了。気になる後編は、ファッションスナップとモデルハントの関係性についてお送りします。お楽しみに!
プロフィール
whyte
トップスタイリスト/中島潮里(なかじま しおり)
千葉県出身。都内1店舗に勤めた後、2年美容業界を離れていた。その後、都内の店舗のオープニングスタッフを経て、Whyteでトップスタイリストに。色素が薄く見えるような、柔らかいスタイル作りが得意。
https://www.instagram.com/whyte_shiori/
プロフィール
THE REMMY
スタイリスト/倉田聡子(くらた さとこ)
東京都出身。国際文化理容美容専門学校卒業。卒業後は、表参道・吉祥寺・三軒茶屋に店舗をもつ美容室に就職し、三軒茶屋店に配属。27歳でTHE REMMYに転職。ショートカットを得意とする。ファッションや食、旅などを紹介するインスタグラムが人気。
https://www.instagram.com/sat0k0_k
プロフィール
ALBUM
プロデューサー/NOBU
大阪と東京のサロンで経験を積み、2014年よりALBUMのプロデューサーとして活躍。美容学校生の頃から既存のルールにとらわれず、独自の手法で技術を高め、売り上げ、集客ともに伸ばしてきた実力者。サロンワークのほか、雑誌の撮影やショーのヘア・メイクの仕事も数多くこなしている。インスタグラムのフォロワーは24万4千人。最近では料理人の夢を叶えたいと画策している。
https://www.instagram.com/nobuhair/
(取材・文/須川奈津江 撮影/菊池 麻美)
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