“髪がキレイ”を文化にしたい! 定額制サービスMEZONがつくる未来

ヘアケアメニューからカット・カラーへアップセルが期待できる!

 

 

-お客さまにとって便利なサービスだとわかりましたが、美容師にはどんなメリットがあるのでしょうか。

 

最初のころは、MEZONについて話すと「それはおもしろいサービスだけど、本当にお客さまがくるの?」という疑心暗鬼な反応をする美容師さんが多かったですね。でも、いざ始まると「こんなにお客さまがくるんだね」というリアクションが多いです。カットやカラーでの集客だけではなく、ヘアケアメニューでも集客できる時代であることを、感じていただいていると思います。

 

美容師さんのメリットとしては、これも大きくわけて3つあります。一つは、完全報酬型なので、お客さまがこられたときだけMEZONに収益が発生することです。

 

2つ目は、空き枠の有効活用。MEZONのお客さまはお昼の12時から18時くらいの利用が多いです。しかも、シャンプーやトリートメントなどが中心のため、アシスタントさんの生産性を高めることにつながります。また、比較的営業が落ち着いている時間にアシスタントさんが忙しくなるので、手を持て余すことがなくなり、モチベーションが上がります。さらに頑張れば、アシスタントさんが評価される、褒められるという好循環を生み出すこともできるのです。オーナーさんに喜ばれるポイントですね。

 

そして、3つ目が最も重要なのですが、「アップセル」が期待できることです。アップセルというのは、MEZONのお客さまの場合、ヘアケアメニューから、カットやカラーのメニューに引き上げていくこと。誰かがお客さまのために精一杯、シャンプーとブローをすれば二度目、三度目の来店が期待できます。ヘアケアメニューを通じて信頼関係が生まれれば、自然と「今度はカットを任せようかしら」という気持ちになるものです。

 

だからこそ、美容師さんには「たかがシャンプー、たかがトリートメントと思わないでください」とお話ししています。信用残高を積み上げるための投資だと思ってヘアケアに取り組めば、いつかリターンとして売上につながります。結果につながっているサロンも増えているんですよ。

 

 

「ヘアサロンに通う習慣」と「髪をきれいにする文化」を作りたい

 

 

-MEZONは順調にユーザーを拡大しているそうですが、これからはどんな展開を考えていますか?

 

私たちにとって大切なことは、ヘアサロンの役割が増えることだと思っているんですね。これまで2カ月か3カ月おきにヘアサロンに通っていた人が、週1回ヘアサロンを利用するようになったら、それは需要が増えているということじゃないですか。

 

カットやカラーだけではなく、髪を洗う、ケアするという役割をより身近にすることで、美容師さんの価値があがるし、また売上も上がっていくはずです。ヘアサロンも美容師さんも飽和状態と言われていますが、私はそうは思っていません。新しい役割を付与することでまだまだ伸びていくと思っています。ゆくゆくは、カット・カラー、ヘアケアだけではなく、トータルでサポートできるサービスを追加していきたいという構想もあります。そうすれば、さらにヘアサロンに行く回数も増えるので、また新しい可能性が生まれるのではないでしょうか。

 

 

日本人は、髪に対する意識がまだまだ低いと思っています。髪よりもまず、メイクやファッションが注目されがちですが、美容師さんもご存知の通り、髪がキレイになることで女性は美しく、男性はスタイリッシュに見えるものなんです。だからこそ、ヘアサロンに通うことを習慣化させることで、「髪をキレイにする文化」を作っていきたいですね。

 

プロフィール
株式会社Jocy 代表取締役社長 鈴木みずほさん

大学卒業後、不動産営業を経て、5年半サイバーエージェントグループに在籍。新規事業立ち上げの中核メンバーとして、通信会社、データ保有会社などの大手企業と事業提携を行い、WEB広告の商品企画から開発まで従事。新規事業単月粗利ギネスを更新。2017年10月、株式会社Jocyを設立。翌年3月、美容定額サービス「MEZON」をリリース。

MEZON  https://mezon.jocy.jp/

 

 

(文/外山  武史  撮影/菊池 麻美)

 

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