「個性」が求められる時代。世間のトレンドに振り回されない美容師が必要　―SARY 畑 成美さん

SARY
スタイリスト／畑 成美（はた　なるみ）

1994年生まれ・滋賀県出身。専門学校を卒業後、都内2店舗を経て2017年10月より青山の隠れ家サロンSARYスタイリストに。メンズカットを得意とし、年間2000のメンズヘアを提案している。クールビューティーな見た目に対し、ほがらかな笑顔と関西弁のギャップも魅力。

2019年大きな変化はなかった？　お客さまは年を重ねるごとに「トレンド」を追わなくなる

私は、これまでも現在も大きな変化はないと思っています。

もちろん、その年ごとにトレンドはあり、特に10代から20代のお客さまは、トレンドを追う方も多いです。しかし、最終的にはどのお客さまも、自身に似合うヘアスタイル、気に入ったスタイル、自分でセットしやすいスタイルを求められます。また、年齢を重ねるごとにお客さまのこだわるスタイルが減っていく傾向があります。

私は、SNSでカットしたスタイル写真やビフォー・アフター、カットの説明、使用したスタイリング剤などを載せているのですが、トレンド感のあるスタイルではなく、常に私がカッコいいと思ったスタイルを発信するようにしています。

カット前

カット後

また、本当に合うスタイルを提供するには、お客さまの髪質や骨格、好みを把握することも大切です。継続して担当することにで、よりお客さまを知って、似合うスタイルを作ることができます。そこで、ブログでは何年も通ってくださっているお客さまの昔の写真と、最近カットした写真とを比べて、何度も担当させてもらうごとにカッコよくなっていっていく姿も紹介しています。

畑さんが考える「2020年のメンズ市場動向」とは？

世間のトレンドに振り回されない、自分にしかないカッコいいスタイルが求められるようになると思います。今や男性でもメイクをする方が増えてきましたよね。それは、美容の側面から個性を強く出そうという方が増えてきたのだと思います。

美を追求する人が増えているということは、美容室に求めるものも変わってくるはず。お客さまの目的は、美容師と仲よくしゃべることではなく自分が美しくカッコよくなること。そのため美容師は、今まで以上に、早く、かつお客さまの希望通りの仕上げる技術が求められると思います。気を遣って話すことで手が遅くなるよりも、待ち時間が少なく、素早く丁寧にカッコよく仕上げられる技術が大切になるでしょう。

また、お客さまが期待するものとサロンが提供できるものが合致するように、日頃の発信やサロン全体の空間づくりも大切だと思います。SARYは技術でお店を選ぶ方にいらしていただきたいので、完全予約制にし、店舗の内装やスタッフのファッションなどすべてにおいて「カッコいい」を大切にしています。そして、その様子を毎日サロンのブログで発信しています。

＞10〜20代がメインになる？！ OCEAN TOKYOの七五三掛さんが見る、メンズ市場の流れとは？