2020年のメンズ市場動向を探れ! 人気美容師5人が予想する気になるメンズ美容の未来とは?

学び続ける美容師が、より選ばれる時代になる-SYN斎藤正太さん

 

 

SYN
代表/斎藤正太(さいとう しょうた)

1992年生まれ。長野県出身。埼玉理容美容専門学校卒業。専門学校時代から雑誌のストリートスナップなどに登場。モデルとしても活躍。その後、有名メンズサロンに入社し、スタイリストになったのちに、新しい環境で0から1を生み出す経験を積み重ねていきたいという想いから、AXY渋谷店へ転職。1年間で、AXY渋谷店(現SYN)の売上利益を10倍以上に伸ばす。2019年4月から店長に就任。「個を伸ばす」ことをコンセプトに、スタッフ育成にも注力している。

 

7割が継続的にトリートメント! 男性も「肌や髪のケア」が当たり前に

 

今やメンズも肌や髪のケアは当たり前の時代です。そのため、多少のコストをかけてでも、質のいいトリートメントを仕入れることが必須になってきました。実際、現段階で僕のお客さまの7割以上がトリートメントをされています。単発ではなく、継続的にトリートメントされる方がほとんどです。

 

これまでのメンズは、軽めでワックスをつけて成り立つヘアスタイルが人気でした。しかし最近は、何もつけなくても美しい、重めのシルエットのマッシュスタイルが人気です。若い男性の間で枝毛やアホ毛を気にするお客さまや、表面に出てくる短い毛を抑えたいというオーダーも増えてきています。

 

そのため、今後はメンズでもワックスやスタイリング剤をつけなくても決まる”素髪“が重要になってくるでしょう。トリートメントも「メンズだからメンズ用のトリートメント」ではなく、レディースのお客さまにも提供できるような、よりハリのある重めのトリートメントの需要が上がると見ています。

 

この傾向は2019年にとどまらず、ますますトリートメントやホームケアは当たり前になってくると考えています。SYNでは今後、SNSでさまざまなトリートメントを使用したビフォーアフターをのせて、まだトリートメントをされたことがない方にもアプローチしていきたいと考えています。

 

SYNで扱っているトリートメント(左)とセット前に塗布する洗い流さないトリートメント(右)

 

斎藤さんが考える「2020年のメンズ市場動向」とは?

 

これからは、モノやお金よりも、“心”が重要な時代だと思います。特に30代以下の価値観は、高度経済成長期のような「お金を稼いで物を買うことが第一」から変わってきています。インターネットで簡単につながれる世界だからこそ、現実的なコミュニケーションや“心”のつながりが減っていることも影響しているのではないでしょうか。実際に、若いお客さまから“心”や人間関係に関するオススメの本を聞かれるなど、お客さまが“心”の不足感を抱いているのだと感じることがあります。

 

だからこそ、美容師はお客さまに自分のことを信頼してもらえるよう密な関係を築き、お客さまの“心”の不足感を埋めることが求められるようになると思います。僕の場合は、お客さまの気持ちに寄り添い、「どうしたら喜んでくれるか? 心から満足してくれているのか?」を相手の立場になって考えること。そして、一人一人のお客さまにとって、より身近な“お兄さん”のような存在として接することを心がけています。

 

また、今後はさらに情報過多の時代になっていくと思うので、お客さまはより専門性の高い情報や技術を提供できる美容師に集まっていくでしょう。カウンセリングにより時間をかけ、トリートメントによるお客さまへのメリット・必要性を伝える話術も必要になります。

 

僕たち美容師が勉強量をもっと増やしていかないと、お客さまのほうが詳しくなってしまうこともあるかもしれません。だからこそ、美容師は毎日新しく正確な情報を取り入れていく必要があると思います。

 

>メンズ市場の競争は激化する!? LIPPS大島さんが見ている今後とは?

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