LONESS片山良平×FILMS若林紀元 気鋭のオーナーが語る「サロン経営のNEW BASIC」
LONESSで月売300万円が当たり前なワケ
若林:僕も今日はLONESSさんに聞きたいことがあったんですよ。月300万円くらい売り上げるプレイヤーがたくさんいるじゃないですか? 普通のヘアサロンだったら月300万円のプレイヤーが一人いるだけで大成功だと思う。どうしたらそんなスタッフを増やせるんですか?
片山:いきなり売上をつくっているのではなく、1年とか2年かけてリピートを増やしているんですよね。もちろんInstagramでいきなりポーンと伸びるケースもありますけれど。
若林:なるほど。カリキュラムは何年ですか?
片山:最初は4年のカリキュラムで、今もおおよそ3年くらいでデビューしています。デビューして1年くらいはみんな悩むんですけれど、その悩みを乗り越えてからはお客さまがたまってくるんですよね。僕は、技術と同じくらいチームワークやサロンの空気感が大事だと思っています。技術が高くて、しっかりと要望にも応えて、しかも居心地が良い空間だったらリピートしますよね。
若林:それが理想だと思います。技術を教える上で大事にしていることはなんですか?
片山:オールマイティに何でもできることが重要ですね。というのも、『CanCam』を見ていた人が、年を重ねて『オトナミューズ』を見るようになったりするじゃないですか。そうなると当然、やりたいヘアスタイルも変わる。その時に期待に応えられないとリピートし続けてもらえないですよね。
もちろん専門性も大事なんですが、必ずそのゾーンを卒業する人が出てくる。人生のステージは次へ次へと進んでいくし、待ってくれないので、同じヘアスタイルが窮屈になると思うんです。だから、LONESSのカリキュラムでは技術をかなり細分化して、対応力のある美容師を育てています。
若林:すごいなぁ。1週間くらい僕にアシスタントをやらせてもらえないですかね。多分、働いたらわかるんですよ。逆に、LONESSのみなさんが気づいていないことに気づけることもあるかもしれないし。
片山:交換留学みたいで面白いっすね。でも、若林さんがきたらみんな恐縮しちゃいますよ(笑)。
若林:リピート率ってすぐに上げられないけど、だからこそ維持できると強いってことですね。
片山:そもそもずっと新規を獲得し続けるのって大変じゃないですか。自分の大切なお客さまと長くお付き合いできたほうが精神衛生上もいいですよね。10年間リピートしてもらうことってすごく難しいけれど、だからこそ価値がある。実現するためには技術を磨き、人間としての引き出しを増やすことが必要だけれど、その分、自分の人生も豊かになりますよね。
数字に表れない貢献を評価することがすごく大事
片山:僕も若林さんに聞きたいことがあるんですよ。月に1度「道徳の時間」を設けてると聞きましたが、どうして始めたんですか?
若林:FILMSは、数字だけではない定性的な貢献も大事にしているんですよ。例えば、発表者が、営業中に感謝した人に対してありがとうを伝える時間があったりとか。「忙しいときにヘルプにきてくれてありがとう!」とか伝えるんです。
片山:それめっちゃいいじゃないですか。
若林:年に1回総会で発表するRemember賞っていう数字だけじゃないスタッフMVPもあります。各店から一人ずつ候補者が選ばれて、総会でエピソードを聞いて、あらためてみんなで投票して決めるんですよ。数字には表れない努力を評価する仕組みをつくりかたったんですよね。現にFILMSでは定性評価の割合を高くした人事評価も導入しています。
片山:普段スポットライトが当たりづらいスタッフを評価するのは大事ですよね。
若林:数字をつくれるスタッフだけがいてもダメで、陰で支えてくれるみんなが必要なんです。だから、自分がプレイヤーだった頃から、評価の場をつくりたいと思っていました。