完全独立よりもメリットの大きいFCオーナーとは? 美容業界年商No.1を目指すLondの強さ徹底解剖【後編:FC事業急成長の理由】

 

3人が語る「これから必ず達成したい目標」

 

 

川瀬:これから僕はさらに店舗展開していくんですけれど、今のところ中途採用が中心。ここからは新卒採用で大きくしていこうと思っています。

 

今年初めて新卒から育ててデビューした子たちが出てきたんですが、デビュー初月からかなりすごい数字が続出していまして。3月にデビューした子が月売208万円、6月の子が月売150万円、7月の子が月売258万円という具合にかなりヤバい数字を出しています。

 

そういう先輩を見て育った後輩は、もっとヤバい数字を出してくるはず。こんな感じでデビュー初月からガンガン売っていく文化をつくることができたら会社としてすごく強いなと。そこを目指しています。

 

 

斎藤:僕たちはFC独立を推奨しています。でも一方で、出ていくスタッフの売上が減るのは痛い。出ていく人たちの売上だけ見ると直営は3億円くらいダウンすることになります。普通の美容室なら潰れるレベルです。だから直営の社内を強めつつ、FCでもブランドを保ちながらスケールさせていきたいと考えています。

 

ブランディングには教育や空間が重要なんですが、ビジネスにおいて最も重要なのは立地だと思っていて。だから銀座などのプレゼンスの高いエリアや、メガステーションと呼ばれるターミナル駅は全部抑えてドミナントで出店しています。ただ、家賃が高いので利益率を考慮するとローカルに出すこともあり得ますが、ブランディングを保つ必要があるんですよね。メガステーションとローカルの両軸でしっかり展開して、美容室年商日本一を実現したいです。

 

個人的にやりたいのは、ヒリヒリする体験ですね。去年は千葉の柏で3階建のビルをまるごとLondにしたんですが、このとき8000万円以上かかったんですよ。昔だったらヒリヒリしていたと思うんですが、全然ヒリヒリしないんですよね。

 

でも海外の場合は違うんです。僕は海外の不衛生なところが好きじゃないんですが、それでもシンガポールとかインドネシア、フィリピンなどでビジネスしたらどうなるんだろうというワクワクはあった。現地のパートナーとやりとりしているとたぎるものがあるんです。儲かるか儲からないかはまた別で、難局をヒリヒリしながら打開したい。チャレンジする背中を見せたいし、海外に挑戦したいというのが個人的な目標です。

 

 

津賀:僕は50店舗、従業員500人を九州エリアで実現させることが目標です。1年で3店舗という目標は達成する見込みですし、来年はすぐ郊外にも出店します。どんどん中途入社の子たちも増えているんですが、話を聞くと環境のせいでくすぶっている美容師がめちゃくちゃいるんですよ。Lond以外の美容室で働いている美容師は、全員くすぶっていると思うくらいです。

 

自分がLondでやりたいことを叶えてきたように、若手にもどんどんやりたいことにチャレンジさせたいと思っています。例えば、社長になりたいっていう美容学生の子がいるんですけれど、実際に22歳、23歳くらいで社長にさせてあげたいと考えていて、普通の人からしたら、「そんな若い社長に誰もついてこないよ」っていうかもしれないけれど、今と昔じゃ若い子の能力が違いますから。新しい文化、新しい時代をつくるのは若い人たちだから、その人たちがチャレンジできる環境をつくり続けたいです。

 

プロフィール

Lond

代表取締役
斉藤信太郎(さいとう しんたろう)

 

 

日本美容専門学校卒業。表参道の有名サロンを経て2013年に独立。美容学校時代の仲間とLondを立ち上げる。2022年8月現在国内外で約40店舗を展開。「Hot pepper beauty AWARD」にて、2年連続で全国1位を獲得するなど、技術面でも顧客から熱烈な支持を集めている。

 

株式会社INK.STICK

代表取締役社長

川瀬賢翁

 

 

岐阜県出身。中部美容専門学校通信課程卒業。17歳から20歳までアメリカとオーストラリアで美容師を経験。帰国後、都内有名店に入り斉藤信太郎氏と出会う。その後にLond入社。数々の売上記録をつくるとともに、銀座店の副店長など要職を務める。2019年にFC1号店を名古屋に出店。その後4年で、東海エリアに6店舗展開。2022年8月現在、四日市店、岡崎店の出店を控えている。

 

株式会社OneBloom

代表取締役社長

津賀雅也

 

 

福岡県出身。歌手活動を経て美容業界へ転身。Londでスタイリストデビュー初月に160万円達成後は伸び悩み、SNSを開始。ショートヘアが次々とバズり、1年後にトップスタイリストへ昇格。その後、表参道店の副店長などの要職を経て株式会社OneBloomを設立。九州エリアでLondブランドのサロンを50店舗、500名を目標に展開。年間4000人のショートヘアを担当。

 

(文/外山武史 撮影/菊池麻美)

 

   ライフマガジンの記事をもっと見る >>

   re-quest/QJ navi DAILY  Instagram

   re-quest/QJ YouTube

  旬の美容師求人はこちら

 

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング