完全独立よりもメリットの大きいFCオーナーとは? 美容業界年商No.1を目指すLondの強さ徹底解剖【後編:FC事業急成長の理由】
銀座1号店を出店した2013年以来、わずか9年で国内外に約40店舗を展開しているLond Group。その代表を務める斎藤信太郎(さいとうしんたろう)さん、株式会社INK.STICK (Lond Group名古屋)代表の川瀬賢翁(かわせまさお)さん、株式会社OneBloom(Lond Group福岡)代表の津賀雅也(つがまさや)さんの3名に、Londから次々とスター美容師が誕生する理由や、各地のLond加盟店オーナーが爆速で事業を成長させている理由を聞きました。インタビューは前後編の2回、後編ではLondグループのFC事業にフォーカスします。まだの方はぜひ前編と合わせてご覧ください。
経営者は孤独ではない。Londが全力でサポートする“メリットしかない”FC事業
斎藤:Lond本社がFC加盟店に内装の支援や、開業資金を集めるための融資獲得の支援など、経営に必要なあらゆるサポートをしています。美容師に対して最大限還元しているのと同じで、FCオーナーにもできる限りのことをしています。だから、本社側としては収益性の高い事業ではないんです。
でも、経営者って孤独だし、経営者の先輩に相談するときも所詮は他人事じゃないですか。でも、二人はLondの看板を背負ってくれているし、同じグループだから「大変だね」では終わらないんですよね。何か失敗したら、必ず助けにいく。絶対に成功してほしいから。
津賀:求人面でも、Londブランドは大きいです。Londで働きたいけど、東京に行けないという子が入ってきてくれました。僕のことは知らないけど、Londは知っている子が集まってくれています。銀行の融資についても、自分一人では信用力が弱かったと思うし、オープン前のピンチも斎藤に救ってもらいました。
斎藤:オープン直前だというのに、ボイラーを買う金がないというから、500万円立て替えたんですよ。
津賀:あれがなかったら詰んでいました。シャンプー台もセット面もあるけど、お湯が使えない、キャッシュもきついし…。
斎藤:最初はデカい桶あげるから、湯を沸かしてそれに入れろって言ってたんです。もちろん、立て替える気だったので冗談だったんですけど。
津賀:金融機関がいきなり500万円貸してくれることなんてないですから。
斎藤:融資してもらえないなら、その状況のまま放っておくことはないんで。やっぱり、どれだけ低いリスクで高いリターンを得るかというのはビジネスにおいて絶対に重要だと思うんですよ。だから、完全に独立するより、加盟店としてやるほうが成功しやすいように、「ローリスク・ハイリターン」の設計にこだわりました。
僕たちが短期的に大きな利益を得ようとするならスタッフの給料は低いほうがいいし、FCのロイヤリティは高いほうがいいし、客単価も高くしたほうがいい。そのほうが合理的だけど、それでスタッフに幸せな環境を用意できるわけじゃないんです。
僕らは美容師に最大限還元しているから短期で大きな利益は築けないですが、長期的に考えるとスタッフは辞めないし、お客さまに喜んでもらえるし、口コミも増えてリピーターが増えて、結果的に売上が上がります。
FCも一緒で、完全独立した人よりも条件をよくすることで、その地域で長く安定して事業を継続することができる。結果として、Londグループの繁栄に繋がります。
でも世の中には、この順番を履き違える人が多いから、多くの経営者が失敗しているし、僕たちが優位性を構築できているのだと思います。
>FCオーナー同士で競い合い、Londグループ全体の成長が加速する