平均年収900万円&FC事業も急成長! 美容業界年商No.1を目指すLondの強さ徹底解剖【前編:スター美容師が生まれる理由】

 

「下位2割」ではなく「上位2割」を切り離す非常識な組織戦略

 

 

斎藤:川瀬も津賀も売上がありましたから、会社を辞めて独立したらかなりの痛手です。それでも、川瀬は東海エリア、津賀は九州エリアでLondのFC加盟店として事業を展開することになりました。Lond本体としては、一時的に売上が下がったのですが、上が抜けることで下が伸びてくるんですよね。

 

どんな組織も優秀な2割、普通な6割、落ちこぼれの2割にわかれると言われています。だから僕は、下の2割をどうするかに悩んでいたんですが、何をしても結局2割は落ちこぼれるものなんです。これはどんなに優秀な組織でも、学校でも同じ。強豪野球部にもモチベーションが低いヤツは必ずいるはずです。

 

じゃあ、上位2割を外に出したらどうなるだろうと思いました。川瀬がまさにそうで、彼は銀座店で1番の売上がありましたが、サロンがいつもパンパンで後輩の枠がなかなかつくれなかったんです。川瀬が「後輩のためになんとかしてやりたい」っていうから「じゃあ、川瀬が出たらいいんじゃない?」って言ったんです。そしたらめっちゃ驚いて「た、確かに…」と。そうして川瀬が名古屋で1号店目を出しました。

 

これは津賀のケースでも同じだったんですが、2:6:2の上の2割がいなくなると、新しい2割が出てくるんですよ。Londには、「次は俺がリーダーだ」って思う人間が何人もいるんです。これも、Londからスターが出る理由だと思っています。

 

 

津賀:僕も今福岡で経営しているからわかるんですが、売上を持っているスタイリストをあえて出すなんて選択肢を普通は怖くて選べないですよ。でも、背中を押してくれたし、会社設立する際も資金面、設備面でかなり助けてもらいました。「ホントにいいの?」と思えるくらい、僕らにメリットしかない加盟店契約です。

 

会社がここまでしてくれるなら、恩返しってわけじゃないですが、自分の分身をつくって辞めるのが筋だと思います。それは会社のためでもあるし、経営者になってからも必要なスキルでもあるし。

 

斎藤:今のところ、Londから完全独立した人は一人もいないんですよ。全て加盟店として繋がっています。

 

 

川瀬:僕の実家が美容室を経営しているのですが、必ず退職者は出るんですよ。子ども時代の僕にとって、スタッフさんは僕のお兄ちゃん、お姉ちゃんみたいな感じでした。だからその人たちが辞めるのはすごくショックだったし、辞めて幸せになるならいいけどそうとも限らないじゃないですか。

 

LondのFCパッケージは、自分で独立するよりも大きな夢を叶えるためのサポートをしてくれます。Londは従業員第一主義を掲げて、それを実現させている会社ですが、それは会社を離れてからも同じです。本当にもうありえない好条件で出店を支援してくれるから、絶対に恩返ししようと思わないわけがないんですよ。

 

 

津賀:僕は最初、完全独立するって言っていたんですよ。その当時は経営について何にも勉強していなかったので。でも実際に会社をつくる段階になって、数字面も考えるようになり「Londの加盟店ってメリットしかなくない?」と。

 

川瀬:僕もLondの条件を無視して自分でやるなんて頭おかしいレベルだぞとアドバイスしました。

 

津賀:僕としてはゼロイチをつくりたかったんですが、間違いなく今のカタチが正解でした。1年で2店舗という結果が出たのもLondじゃなきゃ無理だったと思います。経営者って孤独っていうじゃないですか。でも僕らは繋がっているから全然孤独じゃない。今もこうやって斎藤と川瀬にすぐ相談できますから!

 

―後編ではLondのFC事業について掘り下げていきます。美容室オーナーを目指す美容師必見です!

 

プロフィール

Lond

代表取締役

斎藤信太郎(さいとう しんたろう)

 

 

日本美容専門学校卒業。表参道の有名サロンを経て2013年に独立。美容学校時代の仲間とLondを立ち上げる。2022年8月現在国内外で約40店舗を展開。「Hot pepper beauty AWARD」にて、2年連続で全国1位を獲得するなど、技術面でも顧客から熱烈な支持を集めている。

 

株式会社INK.STICK

代表取締役社長

川瀬賢翁(かわせまさお)

 

 

岐阜県出身。中部美容専門学校通信課程卒業。17歳から20歳までアメリカとオーストラリアで美容師を経験。帰国後、都内有名店に入り斉藤信太郎氏と出会う。その後にLond入社。数々の売上記録をつくるとともに、銀座店の副店長など要職を務める。2019年にFC1号店を名古屋に出店。その後4年で、東海エリアに6店舗展開。2022年8月現在、四日市店、岡崎店の出店を控えている。

 

株式会社OneBloom

代表取締役社長

津賀雅也(つがまさや)

 

 

福岡県出身。歌手活動を経て美容業界へ転身。Londでスタイリストデビュー初月に160万円達成後は伸び悩み、SNSを開始。ショートヘアが次々とバズり、1年後にトップスタイリストへ昇格。その後、表参道店の副店長などの要職を経て株式会社OneBloomを設立。九州エリアでLondブランドのサロンを50店舗、500名を目標に展開。年間4000人のショートヘアを担当。

 

(文/外山武史 撮影/菊池麻美)

 

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