美容師の可能性を爆発させよう! 世界を舞台に表現するTOUCH by OTAKU project
行動しないで後悔するより、笑われてもいいからアクションを起こそう
―最後に、新しい表現にチャレンジしたいけど踏み出せない美容師さんにメッセージをお願いします。
大きく3つのことを勧めたいです。まずは「やりたいことを強くイメージし続けること」「それをほんの少しでも実行に移すこと」「諦めないでほんの少しずつでも挑戦し続けること」です。
行動したほうがいいことはわかっているのに、なかなか行動できない人が多いのも理解できます。ではなぜ僕は一歩を踏み出せたのか。もともと僕は自分の意見を強く主張できない時期もありました。でも、僕と同じ意見を別の人が主張し、それが採用されるとか、そういう場面を何回か見てきたのです。その都度、主張しなかったことを後悔していました。そんなことが続いて、「少なからず自分と同じ意見の人がいるのだから、行動しないで後悔するよりは、笑われてもいいからアクションしよう」と考えるようになったんです。失敗しても行動しないよりマシだし、少し雑な言い方をすれば「やったもん勝ち」だと思えるようになりました。
ここまでくれば成功体験も増えるし、あとは迷わず進めば大丈夫。問題はそこまで行けるかどうかですよね。
突出した特徴、特技、能力はないけど「しつこさ」には自信がある
それともう一つ、大事なのは自分の特徴を見つけることと、それを磨くことの重要性に気付けるかどうか。自分らしさはお客さまへの最大のアピールになります。それをひたすら磨けばいい。
お客さまは髪を切るときに、美容師という人を見て、選びます。そのとき、その美容師が持っている特徴が、選ばれる理由になる。僕の場合は、突出した特徴や特技、能力があまりなかったかもしれません。でも、諦めませんでした。ちょっとダサいですけども、「しつこさ」「諦めない事」を自分の特徴の一つとしてやっています。
美容師は、技術はもちろんですが、お客さんと会話したり、持っている美的センスを発揮したり、いろんな部分で特徴を出せる職業です。どんな部分でもいいから、自分が好きで継続できそうな部分で特徴を強め、それを武器としていく意識を持つのも大切だと思います。どんな能力でも、少しだけでも長けた部分があればそれが特徴、武器になるんです。
誰もが武器になる特徴は持っていると思うので、少しでも多くの人がこれをきっかけに自分の特徴を自覚し、それを磨いてもらえればと強く願っています。
プロフィール
LINE hair salon代表 ミツモリ ヨシヒロ
大阪府出身。美容室で働きながら関東美容専門学校通信科にて美容師免許取得。都内のヘアサロンで勤務したのち、2005年に独立し、LINE hair salonを立ち上げる。2013年から世界を旅しながら世界各国の「体験したことのない髪型、体験したくてもできない髪型」を提案するTOUCH by OTAKU projectを展開。作品集は「TOUCH」として販売され、写真展も開催されている。
初期からTOUCHプロジェクトに携わり、さまざまな国での撮影を行っている岡田 裕介さん写真展『これが君の声 青の歌-Sound of echo, Song of Blue-』も開催予定。
http://yusukeokada.com/2020/08/10/2327/
(文:外山武史/撮影:山元裕人)