美容師の可能性を爆発させよう! 世界を舞台に表現するTOUCH by OTAKU project
行く先々でカルチャーの違いに愕然とする
―印象的だった旅のエピソードを教えてください。
どの国も印象的でしたが、一番スリリングだったのはキューバですね。キューバのスケボーチームの活動が面白そうだったので、スケボーの団体に連絡したんですよ。キューバのスケボーチームとコラボレーションをしたいと。
ところが、とにかく返事が遅いんです。向こうでは普通かもしれないけど、日本人の感覚だとめちゃくちゃ遅い。しかも、めんどくさい質問は無視されてしまうんです。でも、「なんでも手伝うぜ」っていう返事だけが届く。向こうとしてはもうそれだけでOKだと思っているみたいでした。
とはいえ、こっちは心配じゃないですか。僕の滞在スケジュールやその間にしたいこと、モデルさんを集めてほしいことなどをやんわりと伝えても返事がこない。結局、キューバに行く前日にも返事がなく、「明日からよろしく」と連絡しても返事がない。全然具体的なことが決まらないままキューバについたのですがフライトが遅れて合流もできない。泊まるはずだったホテルも満室だったりして、もう散々でした。
翌日、なんとかカメラマンたちと合流したんですが、肝心のスケボー団体の人たちとは出会えない。コーディネーターがいないことには話がちっとも進まないわけです。
ホテルの受付の人に頼んで、なんとかコーディネーターに電話するところまでこぎつけたのですが、「ごめん行けなくなった。でも知り合いが行くから安心してくれ」っていうんです。その知り合いに連絡したら30分後くらいにきてくれて、「じゃあ、行こうか」と何事もなかったかのように言ったんですよ。こっちはずっと気が気じゃない状態だったのに(笑)。
でもこれが向こうの感覚なんですよね。約束していたモデルも2時間くらいは平気で遅れるし、遅れたことに対して悪気もない。彼女と自転車二人乗りで、笑顔でやってきましたから。予想通りに行かないからこそのライブ感はありましたけどね。
ひやひや体験をしたものの地元のキッズは初めてのヘアに大喜び
photo by Yusuke Okada& Keiko Tanabe