「大阪と東京のくくりはナンセンス」LESS IS MORE代表 西村氏の大阪から世界へ飛び出せたワケ
LIM30周年で第一章が終わり、第二章の物語を作るのは…?
-では、海外進出の話を聞かせてください。なぜ最初はシンガポールから出店しようと思ったのでしょうか?
「貿易国かつアジアの金融の中心で、すごく伸びている国だから最初の一歩として選んだのもあります。ですが、カンタロウとアジアを回っているときにあった、シンガポールでのある出会いが一番のきっかけでした。
出店候補地のお店のレッスンを見学していたら、そのお店に通っている間には一度も見かけたことのない人がシャンプーのレッスンを受けていて、話を聞くと、そのお店のお客さまとのこと。
さらに話を詳しく聞くと、某大手家電メーカーの元エンジニアだったけど、美容師になりたくてシャンプーのレッスンを受けさせてもらっているって言うんですよね。その人に興味を持ったので、その人といろいろ話をして、じゃあ共同出資するから一緒にお店をやろう。ってなりました。その彼の想いが縁になってシンガポール出店が決まりました」
-ロンドン出店はどういった経緯なのでしょうか
「結局(LIMの)ブランディングになるんじゃないかな。こういう風に話題にもなりますし、リクルートにもつながりますよね。…やらしいですよね、やり方が(笑)。でもみんな本当に一生懸命やっていますよ」
-大阪と東京の店舗から海外勤務希望者を募ったりもされるんでしょうか?
「最初のスターティングメンバーはLIMの日本人スタッフからのスタートになりますよ。ビザの問題とかあるので、2年で帰ってくる人もいれば、4年いる人もいます。シンガポールからロンドンに行った人もいます。大阪と東京にいるスタッフには、年に一回海外勤務申請をする機会を設けています。みんなが実現するわけじゃないですけど、全体の人事を考えて配置を決めていきます」
-日本の店舗と海外の店舗、いい交流が生まれそうですね。
「シンガポールでいうと、シャネルとかグッチのコレクションのヘアメイクの依頼があって、今回で4回目になるかな。日本からアシストしにいったりもしますよ。
シンガポールに出店したときは、こういった依頼があるということは予測していなくて。“目の前のことを一生懸命やる”。その繰り返しで、自然に広がっていったという感じです」
-最後に今後のLESS IS MORE 、LIMの展望をお聞かせください
「去年の2014年、LIMが30周年を迎えて、そこでLIMの第一章が終わったと思っています。そこで、僕はトップとして筆を置きました。
これは俗に言う、事業の承継や志の承継とかそういう部分になっていくるんですね。トップディレクター含めて、彼らが次の物語をつくっていくという時期です。次の日から、その人達がLIMの第二章を描いていくんです。これからのLIMは彼らに委ねるしかない、ということです」
- プロフィール
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LESS IS MORE
代表 西村 徹也 (にしむら てつや)
1954年大阪市出身。横浜での会社勤務を経て、25歳で美容師の道を志す。東京のサロンに5年勤務した後、1984年大阪府八尾市にヘアサロンをオープン。1991年に有限会社レスイズモア設立。その後、2006年に東京進出。2009年にはシンガポールに初の海外店舗をオープンし、2014年ロンドン出店。2015年現在、現在大阪8店舗、東京3店舗、シンガポール3店舗、ロンドン1店舗の計15店舗を展開する。
(取材・文/QJナビ編集部)
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