クラブ好きも唸る有名アーティストが集結し、900人以上が熱狂! LECO5周年イベント「SCRAMBLE」の狙いを内田聡一郎さんに聞いた
クラブ好きも驚く!常識やぶりのイベント設計
編集部:イベント当日、フロアが3つに別れているのも印象的でした。
内田:スクランブル交差点で人がクロッシングするようなイベントにすると決めていたんです。だから、フロアが3つあって、それぞれ違う音楽性にしたんですよね。普通のイベントって、一つのジャンルに絞って、それが好きな人を集めてやるものだから。クラブ好きな人たちには特に新鮮に感じてもらえたんじゃないかなと思います。
僕はヒップホップやラップも好きだし、テクノやハウスも好きだし、アニソンやJ-POPも好きだし、それぞれ影響を受けてきたんですよね。なので、この渋谷の街で、一夜にして全部体感してもらうのもいいのかなと思いました。3フロアそれぞれ音楽もお客さんも違うから、いろんな人に楽しんでもらえたと思ってます。縦ノリも横ノリもあるし、カラオケ大会みたいなところもあるし、「なんかよくわからないけど楽しい!」みたいに思ってもらえたのなら成功ですね。
編集部:スタッフのみなさんも楽しそうでした。
内田:イベントの企画やブッキングではスタッフがめちゃくちゃ活躍してくれてます。みんな当事者意識を持ってやってくれたのが嬉しかったです。特に一緒にオーガナイズをしてくれたAMANE(LECO hair designer)はこれまでずっと美容にもDJにもひたむきに向き合ってきた男で、今回その力を総動員してものすごい活躍を見せてくれました。
イベント後、スタッフのInstagramなんかをみると、かなりエモーショナルな投稿をしていて、みんなにとっても意味のある体験だったのかなと思いました。
思い思いの装いで楽しみつつアテンドするスタッフの皆さん浦さんはお着物で!!
「美容師カッケー!」とリスペクトされるような文化をつくろう
編集部:改めて、今回のイベントで伝えたかったことを教えてください。
内田:美容業界って美容師やヘアサロン同士で競争している部分があると思うんですけど、それってなんかすごく狭い世界の話だなって感じていて。美容業界で集客に成功して小銭を稼ぐとか、そういうものを目指しているだけの業界じゃないよねってことを強く伝えたい気持ちはありました。
幸い、たくさんの人にきてもらえたし、話題づくりもできたから、説得力を持たせられたかなと。今回のイベントにきて「やられた!」と思った美容師もいたと思うんですよね。実際、DMをたくさんもらったし、その中に「刺激をもらいました!」とか「正直、悔しかったです!」みたいなものもありました。
美容師として売上をつくることや、インスタグラムのフォロワーが多いことだけが、価値じゃないぞと。単純に「この人面白いな」という感じで、世の中に広く認知されて、その結果、美容業界のプレゼンスが上がるとか、そういうところにつなげていきたいと思いました。
編集部:最後に若き美容師さんへのメッセージをお願いします!
内田:美容師の社会的地位をあげたいという志の高い人が多いように思います。それは僕も賛成なんだけれど、個人的には美容師の「文化向上」を唱えたいです。
僕たちが美容師になったきっかけって、社会的地位とかそういう堅苦しいことではなかった。単純に美容師ってかっこいいなとか、自分の知らないことを知っているとか、面白いことをやっているとか、そんな感じだったんですよね。要は、美容師の先輩たちから、良いパンチをくらっていたわけです。パンチと言っても、物理的なパンチじゃなくて、目の前の世界が変わるような衝撃のことね。そういうパンチを繰り出せる美容師を増やすことが、文化向上ってことなんじゃないかなと。
どれだけお金があっても、社会的地位が高かったとしても、それだけでは不十分で、要は面白いことを仕掛けて、ワクワクさせてくれるような人たちのところに、人は集まると思うんです。そして、面白い仕掛けというのは、美容室単体では難しいのかなと思っていて。今も美容室×カレーとか、面白いコラボレーションをしている人が出てきましたけれど、そういう感じで、新しい試みをする人たちが増えてほしいなと。美容師ってすげぇな、イケてるなっていう文化をみんなで一緒につくっていきましょう!
- プロフィール
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LECO代表 内田聡一郎(うちだ そういちろう)
2003年より原宿のサロンでトップディレクターとしてサロンワークをはじめ、一般誌、業界誌、セミナー、ヘアショー、著名人のヘアメイク、商品開発など様々な分野で活躍。
2018年 渋谷にLECOをオープン、2020年 セカンドブランドQUQUをオープン。代表として今後一層の活躍が期待されている。著書「自分の見つけ方」(2013年)、「内田流+αカット」(2017年)、「内田本」(2018年)を発売。また、シザーやシザーケースなどのオリジナルプロダクトも発売中。
2019年12月から若手美容師にエールを送るsoucutsラジオを始動。
【twitter 】@soucuts
【Instagram】@soucuts
(文/外山 武史 撮影/菊池麻美)
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