デザインを追求する関西発イノベーター、京の都に集結【へぎしょうた、仙頭郁弥、高橋幸嗣、藤木豊和】激変期の今、半歩先のヘアをリードする4人【タブロイド版リクエストQJより】
顧客を惹きつけるサロンワークの取り組み方
編集部:まずは皆さんのサロンワークについて改めてお聞かせください。デザインする時、自分流のこだわりの取り組み方はありますか?
仙頭:デザインにはかなりこだわっていますよ。そしてカウンセリングではあまり決めきらないようにしています。これって、あまりカウンセリングしていないという意味なのかな。事前に確認しておくのは、生え癖、頭の形とか。お客さんからヘア写真見せられて、これと同じようにやってください、と言われないようにしたいんです。自分がやりたいデザインをする、という流れに持っていきたいんですよね。とは言っても、自分以外の美容師さんの写真を見せられることに対して嫌な気分は全くないんです。僕って、真似をするのが苦手なので、それと同じ通りにできなかったら失敗と取られちゃうので!(笑)。
へぎ:だからカウンセリング段階では正解を出さない、ということですね。カットをしていく過程や現場感までまるごとデザインという感じでしょうか。
仙頭:そうですね。答えのないまま切り進めていって、最後の最後は僕に任せてくださいっていう感じです。
藤木:僕のカウンセリングはわりとしっかり聞く方かも。まずはお客さんの気分を聞きます。どんな髪型にしますか?という質問はしません。なぜサロンに来たのか、そのきっかけは何だったのかを尋ねます。特にご新規さんには。イベント事の前にサロンに来られる方は多いので、今後の予定とか、1週間後にどんな用事があるとか。仕事やテストで病んでるとか、どれくらい落ち込んでいるとか。お客さんの気分がどれくらいのところにあるのかを確認して提案したいと思っているので。
高橋:藤木とは元同僚なので、藤木の仕事はなんとなく分かる。お客さんのフィーリングをつかむのが上手いし、スムースに提案につなげているなと思ってます。
へぎ:僕はインスタの打ち出しで、バッサリカットのビフォー&アフター動画を出していたりするんです。だから変わりたい願望が強いお客さんがいらっしゃる傾向が。なので、まずは何をきっかけに来られたのかを確認させてもらいます。僕の動画を見てなのか、サンドなのか。何かしらの目的があって来店されているので、どこにゴールを設定するべきなのかもお聞きします。明日バッチリなのか、1週間後バッチリなのか、2週間後なのか。ゴールに合わせてデザインします。
高橋:へぎさんのお客さんも、他の美容師さんのヘア写真を持って来られることもあるんですか?
へぎ:もちろんありますね。今こういうデザインが好まれているんだなというのが分かりますよね。仙頭さんが言ってたように、完璧に写真のヘアに仕上げることはできないので、まずはこのヘアスタイルのどのポイントが可愛いと思っているのかを聞きます。前髪とか、襟足とか、サイドとかのどんな感じが好みなのかが分かれば、お客さまの場合ならこんなふうに持ってきた方がいいですよと提案します。全て同じにはできないけど、僕なりに色々考えてベストなものを作らせてただきますとお話ししますね。
高橋:僕もご新規の方には、まず好みを知りたいと思うので、インスタでどんな写真を保存しているのか見せてもらいますね。保存しているヘア写真を何枚か見ていると、こんな雰囲気が好みなんだなと重なるものが必ずあるので。それを僕なりにつかめたら、あとはそのテイストをズラさなければいけるな、と確信するんですよね。最終型まではカウンセリングでは決めませんが、ある程度の雰囲気と系統までつかめたらあとはお任せいただく、という流れです。
藤木:僕も高橋さんの仕事を知っているから言えるんですけど、高橋さんはショート以外も上手くて。インスタではショートの人という認識かもしれないけど、いろんなスタイルが切れるからこその高橋さんのショートだと思います。
高橋:自分の性格的なこともあるかもしれないけど、きっちりと切るところは切りたいタイプなんで。キレイに整えてしまいがちなところがあって、形がキレイとか、処理かキレイとか言われるんです。そこが自分の強みなのかなと思っています。簡単にヘアが決まりつつも、収まるからコテも要らないような再現性は常に意識していて。あとシルエットの美しさの中にも遊びを持たせたり、ちょっとした個性、ちょっとしたエッジを効かせるデザインも並行して考えています。