美容教育の新たな形 ―なぜ今美容師の教育をアウトソーシングするのか―

 

実際に昨年度からセイファートのアシスタント教育にアシスタント育成プログラムを導入し、来年度も継続してスタイリスト育成プログラムを利用する東京ヴァンテアンの中林さんにもお話を伺いました。

 

株式会社東京ヴァンテアン
取締役社長 中林章

1973年、東京都出身。日本大学卒業。
東京、千葉、埼玉、オーストラリアなど多店舗展開を図り発展を続ける。
母から経営を受け継ぎ、現在も無借金経営を継続している。

 

教育のためにトップクラススタイリストの売り上げを捨てている?

 

 

昨年からセイファートのアシスタント育成コースをお願いしています。元々、新卒は3ヵ月間かけて自社で教育をしていたんですよ。研修所を借りて、教育ができるスタッフを集めて実施していました。初めの1~2年は緊張感をもってやれていましたが、何年か続けるうちに担当者も慣れが出てくるんです。そうすると人によってはあまり気合の入らない研修をするケースがでてきました。そもそも新人研修をやるとなると、各サロンのトップクラスのスタッフが指導することになる。営業時間を割いて売上を捨てているのにそんな教育をやる意味があるのか? という声が上がることもありました。サロンの人手不足もあり、ここはプロに預けて教育をお願いしてみようということになりました。基本はアウトソーシングでお願いして、不足部分や社内で独自にやりたい部分だけを自社で行うことで、社内の負担を減らす狙いです。

 

美容学校がサロンに求めるいつデビューができるかの確証

 

 

実際セイファートのアシスタント育成コースに教育を任せてみたところ、今までよりもアシスタントの営業力が上がったんです。技術はもちろんですが、メニューアップや店販販売の力がついているのには驚きました。

 

自社で教育をしていた時は、3カ月でシャンプー、カラー、縮毛矯正まで仕上げて、秋にワインディングコンテストをする。あとは各店舗に教育を任せていました。3カ月は、一貫した徹底指導を行うので、新卒生たちもぐんぐん成長していきます。しかし、それ以降が問題で、店舗に任せてしまうとサロンワークに忙殺されるし、隣に競争する同期もいなくなるのでぐっと亀足になってしまいます。中にはデビューに5年ぐらいかかる子もでてきました。

 

美容学校生が減っている中、美容学校は「あなたのサロンに任せたらいつデビューできますか?」というところを重要視しています。これまでは、「本人たちの頑張りによります」としか言えなかったんです。でもそれはもう時代に合っていない。しっかりプロに教育をお願いすることで、2年でのデビューを想定していると答えられるわけです。

 

>新事業の展開には確定的なデビューと教育が

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