【韓国人美容師チェズ<前編>】ボクサーの夢破れ美容師へ。韓国美容塾〜兵役〜来日〜山野美容芸術短期大学〜原宿有名サロンでアシスタント。韓流ドラマさながらの紆余曲折ドラマチック人生
もしも、地球上の人々が突然変異し、スキンヘッドになってしまったら? ひょっとしたら将来、コロナを上回るほどの疫病が蔓延し、うすらハゲ病、円形ハゲ病、M字ハゲ病の患者が激増するかも? そんな時、医療の力で髪の毛を蘇らせることができるのでしょうか? そして美容師の仕事はどうなってしまうんでしょうか!?
なーんて事態は訪れないとは思いますが(笑)、こんな妄想に駆られているのには理由があるのです。実はワタクシ、編集部員Xは、あるカツラ職人のアトリエを訪問したばかり。韓国人で、カツラ職人で、超有名サロン出身の美容師という興味深い経歴を持つチェズさんを直撃し、スーパーエキセントリックなインタビューを敢行。前編では「韓流ドラマ風チェズさんの生い立ち」、後編では「オーダーメイドのカツラができるまで」をご紹介します。まずは前編からどうぞ。
プロローグ:ハゲの悩みをどう解決する?
年齢を重ねるにつれて、髪の毛は薄くなり、やがては完全に抜け落ちていく…。日に日にハゲていく自分の姿を、受け入れることができるのでしょうか。ああ、私は無理だ。高校球児になって甲子園を目指す、とか、出家して生き方を変える、とか。何かしら強い意志があって自ら剃髪するのと、意に反して坊主になってしまうのは全く別物。
ありのままの姿をドーンとさらけ出せる人ならいいですが、それってなかなか難しい。それが若ければ若いほど、切実です。そんな悩みを現実的に解決するには、自分にマッチしたカツラと出会うことなのかな、と思います。
近年では医療用ウィッグも登場し、幅広い世代、デザインに対応したカツラは増えています。薄毛のお悩みは、年齢も性別も関係ないということ。そして欲を言えば、美容師さんがヘアを提案するかのように、それぞれの嗜好やライフスタイルにピッタリとはまったカツラがあればベストなんだけど…。
そんな思いをめぐらせながら、いつものようにYouTubeをただ当てもなく彷徨っていた編集部員X。ふと目に飛び込んできたのが、「カツラが心にフィットする瞬間MakeReal」というチャンネル。さまざまなデザインのオーダーメイドのカツラを紹介していて、そのクオリティがすごくリアル。特にカツラ前、カツラ後の劇的変身ぶりがすごすぎ。若い人が、波巻きパーマや、フェードカットや、韓国風レイヤーなど、カツラのイメージを飛び越えるほどの超トレンドヘアで変身しているということ。しかもこのカツラ職人さんは現役美容師で、韓国人で、日本語ペラペラなチェズさんというお方。なんだかとっても興味津々なんですけど、ワタクシ。
見た目も自然。オーダメイドだから自由なデザインが楽しめる!