【初登場】郊外で売上1億超えを実現したサロンオーナー・神崎馨さんが挑む新時代の経営術。美容師にも賞与を!年末賞与317万円
働き方が多様化する時代に、「生涯雇用」を掲げてスタッフが物心両面で豊かになれる経営を追求するRe-Bell(リーベル)代表・神崎馨(かんざきかおる)さん。労働環境の質を上げながら生産性を向上させ、郊外のサロンにもかかわらず昨年は18人のスタッフで年末1億超えの売上を達成。その具体的なノウハウをロードマップとしてオンラインサロンで伝授するなど、経営者として注目を浴びています。経験則から独自の経営理論を導き出した神崎さんは、どのようにスタッフを導き、結果を出せるサロンへと進化させたのでしょうか。その具体的な手法についてインタビューしてきました。
流動性が低い郊外は、安定経営を目指すならメリットしかない
——神崎さんは東京の高円寺出身だそうですね。都心ではなく、あえて“小平市”にお店をオープンした理由はあるのでしょうか?
僕はもともと都心願望はなくて、「地域で一番になりたい」という思いだけがありました。前職のサロンが花小金井(東京都)だったので、そこから少し離そうかなと思い、隣駅の小平にしただけなんです。ただ、経営的な話をすると、郊外はメリットしかないと思っています。都心は流動性が高いですし、新規客の獲得に注力する風潮がありますよね。僕はそれよりも、いかにお客さまをリピートさせていくかというところを重視して売上を上げていたので、この方法でやっていけば必ず経営もうまくいくと確信していました。流動性が少ないほうが安定するからです。
例えば、新規で毎月400名来るというお店は、一見すごいと思いますけど、予約が取り続けられるかということに僕は疑問を感じていました。そこには費用もかかりますし、結局は終わりがくると感じていて。ですから逆に、「予約が取れない」というブランディングをすることにしたんです。最初は予約枠をスタッフの人数と同じ数字に設定しました。例えばセット面が10席あったとしても、スタッフが5人しかいないなら5枠までしか取らない。そうすることでスタッフ全員にお客さまがついているので、カラー放置で手が空いたときは休憩もできるし、気持ちに余裕ができるので労働環境的にも良くなります。
あとは、1日の予約の平均化を目指しました。午前中は忙しくてお客さまを待たせてしまうほどなのに、午後は暇という日があると効率も良くないですよね。スタッフの人数に合わせて予約を取り続けたら、「この時間に来てほしいな」という隙間の枠に予約が入るようになってきたんです。そうすると生産性が上がることを肌感で感じました。数字として結果にも出てきたからです。このやり方をどう伸ばしていくか?ということを考え、今は人数×1.25を会社の標準に設定して予約を取っています。この数式は、都心のサロンと大きく違う部分かなと思いますね。