行く年来る年「人気美容師が漢字1文字で表す2024年」-前編 -
ZYNX 代表/TAKUMAさんの今年の漢字
──「旅」を選んだ理由を教えてください。
僕には2年前からやりたかったことがありました。それは、一般のお客さまにも喜んでもらい、他の美容師さんも巻き込み、誰もやったことのないおもしろい企画です。企画を考えている時に「俺は渋谷と地元しか知らないな」「日本ってどんな国なんだろう?」「よし! 回ってみよう! 日本一周サロンワークなんて絶対誰もやったことないな! 絶対おもしろいじゃん!」という考えが浮かびあがってきました。そして今年は、スタッフと共に17都道府県を回って、各地のお客さまを担当させていただきました。
この企画を通じて、人の温かさを心底感じました。場所を1日提供していただく、そう簡単なことではないと思います。ありがたいことに初対面の僕を快く歓迎してくださる方々に、日本人特有の「おもてなし」精神を感じて、本当に感動しました。また、企画を経て新たな仕事やつながりが生まれるなど、想像以上の収穫がありました。普段とはまったく違う環境で働かせていただいたことで、美容師としても人間としてもかなりレベルアップしたと思える企画でした。
さらに今年は、海外でのヘアショーや渋谷での独立という夢も実現しました。パリでのヘアショーでは「日本のギャル文化を世界に!」をテーマに取り組みました。海外にウケるデザインや10分間で飽きのないショーの作り込み方、エクステを使った魅せる技術。サロンワークをメインに取り組んできた自分にとっては、すべてが新しい刺激です。
海外メディアを前に迎えた本番。過去、国家試験に6回落ちたり、アシスタント時代の後輩に抜かれたり、デカい口叩いた割に何も成し遂げられなくて「ずっと悔しくて、ずっと勝ちたくて、ずっと見返したかった」という気持ちが湧きあがってきました。その時を思い出して最高なショーをすることができました。
そんなこんなで、本当に2024年はいろいろなご縁があって、僕の夢をたくさん叶えた1年でした(夢はまだたくさんあります笑)。「俺、独立したの今年だったっけ? 笑」と思えるくらいとても濃い1年! そんな夢を共に動いてくれたスタッフにも本当に感謝です! 本当に良い1年だった、そんなすべてをまとめて出た言葉が「旅」でした!
──美容師・美容サロン業界において2024年はどんな1年だったでしょうか?
新しいことに挑戦する意思が特に強い1年だったと思います。パーマ文化の前兆、新しいエクステや薬剤の誕生、デザインカラーに対しての需要がさらに増したかなと思います。
「トレンド」というより「需要」が高まってきているという感覚で、エクステ、薬剤に関しては年々進化したものが出てきます。価格も高騰しており、値段とともにお客さまが求める基準もどんどん高くなっていくだろうなと感じました!
そんな中で、髪質改善や、ハイトーンなどの分野で、斬新なアイデアを耳にする機会も増えました。また、パーマにチャレンジしている美容師さんが増えたことや、そもそも韓国がブリーチよりも暗髪のハネエクステやパーマを推していることから「日本にもこの波がやってくるのでは⋯」と予感しています。
──最後に、2025年への抱負・意気込みをお願いします。
サロンワークでは、スタッフが輝ける年にしたいです。来年デビュー予定の子も2人いるので、その子たちが輝けるような美容室としての土台作り、そしてZYNXの名前をもっと世の中の人に知ってもらえるような活動をしていきたいです。
僕個人としてはもっとクリエイティブなことに挑戦し、美容師としての力量をもっと追求したい。そして美容師という仕事のカッコ良さや魅力を業界外に広めたい。美容師に興味がないような人にも興味を持ってもらえるような発信をしていく。いつか「TAKUMAさんをみて美容師を目指しました」って若い子に言ってもらえるような、そんな「美容業界を広げる」活動ができたらと思います!
- プロフィール
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ZYNX(ジンクス)
代表/TAKUMA(タクマ)
中村拓馬。ZYNX渋谷代表。見た目とのギャップから生まれる丁寧なカウンセリング術で渋谷ギャルのわがままなお願いをブリーチとエクステで叶える、通称ギャルの神様。2017年国際総合ビューティーガレッジ通信課卒業。2024年3月15日にZYNX をオープン。TikTokのフォロワーは25万超え、美容師業界屈指のインフルエンサー美容師。
Instagram: @takuma_aka_zynx
TikTok: @takuma_aka_ zynx
後編は、
une/HOUNE オーナー/英香(ひでか)さん
PEEK-A-BOO クリエイティブディレクター/福井 達真(ふくい たつまさ)さん
Hank. 代表/堀江 昌樹(ほりえ まさき)さん
SHACHU代表/みやち のりよしさん
PELE オーナー/RYUSEI(りゅうせい)さん
が登場します!
>後編へ続く
(取材・文/リクエストQJ編集部)