異業種のカリスマに学ぶ vol.1 脳科学をお肉に転用したらどうなるだろう? 異業種の専門家との化学反応で新たな価値を生む 格之進 代表取締役 千葉祐士さん

お肉の知識が増えれば増えるほど“知らない”ことに気づく

 

 

ところで私は“肉おじさん”って呼ばれていますが、肉おじさんって「肉のことがわからない」っていう設定なんです。「お肉に詳しい人」っていうブランディングをしているわけではないんですね。

 

ソクラテスは「無知の知」という言葉を残しましたが、お肉の知識が増えれば増えるほど、知らないことがまだまだたくさんあることに気づきます。一生かかっても、お肉のことはわからないですよ。知れば知るほど、もっと学びたくなる。新しい可能性にチャレンジしたいし、それでお客さまやスタッフに喜ばれたらワクワクします。

 

“肉おじさん”というネーミングや、メガネとサスペンダーが私のトレードマークです。でも、そういう表層的なところでブランディングをしようと思っているわけではないんですよ。ブランドの本質って、その人が持っている哲学や思想なんです。自分の哲学や思想が、世の中に必要とされるからブランドになるんです。

 

自分がどうありたいかを表現する上で、みなさんは美容を選んだのだと思います。私の場合は、お肉を通じてそれを体現している。ブランドの基軸となるのは、その人の思想や哲学です。そこを勘違いしてしまうと、うまくいかないと思いますね。

 

ワクワクする夢と情熱×情熱×情熱で何でも実現できる

 

 

私は思想や哲学に基づいて、ワクワクするために生きています。なりたい自分が見えているからワクワクするし、人はそこに向かって前のめりになれます。ただお金を持っているだけの人間よりも、ワクワクしている人の方が魅力的ですよ。中身がないハリボテはすぐに見破られます。

 

まだ経験が浅いアシスタントさんだって同じです。若者の特権は夢を語ること。熱い夢があるのなら、情熱×情熱×情熱で実現できます。私もまだ目標の1割にも到達してないし、今も夢を語っています。49歳になってもアメリカの大統領を目指すっていうと「何をいまさら」って思われるでしょう。でも、20歳の人が言うのなら、私よりは可能性を感じますよね。つまりそういうことです。まだ自分には何もないと思っている人でも、いつもワクワクすることにチャレンジしていて、思想や哲学が魅力的なら、人は集まってくるものです。さて、あなたは今、ワクワクすることにチャレンジできていますか。

 

 

プロフィール
格之進 代表
千葉 祐士(ちば ますお)さん

岩手県一関市で牛の目利きを生業とする家に生まれる。東北学院大学経済学部卒業。1社勤務を経て1999年4月岩手県一関市にて「格之進」1号店を開業。また自社ブランド肉「門崎熟成肉」を中心に加工から販売までを手掛ける。日本最大級の「肉フェス」で4回連続総合優勝。「熟成肉解体ショー」などの店内イベント、見識者等と開催する「肉肉学会」や2020年にはZOOMなどを用いて「格之進オンライン肉会」を開催するなど、肉を楽しむための新しい価値を提供している。

格之進:https://kakunosh.in/

 

 

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