代表が複数いるサロンって実際どうなの? 当事者だからわかる共同経営のリアル 「あの人に会いたい」美容師×美容師の化学反応 第12回Belle 飯田尚士さん×LONESS 片山良平さん
美容師同士だから語れることがある。美容師だから分かり合えることがある。でも、話したい美容師さんがいても、売れっ子同士だと忙しくてゆっくり話す機会もないのでは? そこでQJナビデイリー編集部が、美容師さんが好きなテーマで語り合う対談の機会をつくりました。
第12回は、LONESS代表の片山良平さんからのリクエストで、Belle代表の飯田尚士さんとの対談をセッティング。2つのサロンの共通点は、有名店出身の美容師が集まり、共同経営者として活躍しているところです。実は、LONESSの立ち上げの際に、飯田さんが片山さんに先輩経営者としてアドバイスしていたこともあるのだとか。経営談議を皮切りに、話したいことを自由にお話しいただきました。共同経営に興味がある人必見です!
「『お金だけは折半にしたほうがいい』というアドバイスが印象的でした」(片山)
片山:QJナビDAILYさんから会いたい美容師さんは誰ですかって聞かれて、パッと思いついたのが飯田さんだったんです。
飯田:ありがとうございます!
片山: 飯田さんたちは最初から共同経営をされていたので、LONESSの出店前に色々と相談させていただきましたし…。「お金だけは絶対に折半にしたほうがいい」って言われたことはずっと守っています。
飯田:それが理由で離れちゃう人も多いからね。
片山:共同経営で始めようと考えていると伝えたときも、「いいじゃん! やりなよ!」って背中を押していただけてうれしかったです。
飯田:あれから何年経った?
片山:4年経って、5年目に入りました。
飯田:共同経営って、役割分担ができていれば強いよね。1人で全てをやるのは大変だけど、代表が複数いれば、それぞれの得意分野を伸ばせるし、経営判断のスピードも上がるしね。
片山:それは思います。ただLONESSでは、店舗が2つになったばかりなのでスピード重視というより、2人で話し合って、より良いお店の方向性をジャッジしながらやってます。Belleはどんな風に役割分担が決まっているんですか?
飯田:数字に関することやサロンの方向性を決めるのが僕の役目。教育とか、サロンの統括は任せているよ。
片山:役割を掛け持ちしたり、2人で担当したりということはないんですか。
飯田:役割が交わることもあるけど、基本的には任せてる。やっぱり、信頼できる人間に最初から仕事を任せられる強さはあると思う。1人でやると右腕、左腕が出てくるまで大変だろうね。
片山:代表が集まって話し合うこともあるんですか。
飯田:もちろん。ウチはかなり多いほうだと思う。月1回のミーティングは必ずやるし、あとは何かある度に集まっているよ。
「僕らの場合は適材適所が明確だったから役割分担しやすかった」(飯田)
片山:LONESSでは、より良いジャッジをしていくためにあえて、役割分担をはっきりはさせていないんです。ただ得意分野がそれぞれあるので得意なところをそれぞれがリードし共有してます。
これからさらにスピードを上げていくには、完全にお互い任せたほうがいいかもしれないですね。
飯田:そのサロンにあったやり方でいいんじゃない? 僕らの場合は、最初から適材適所が明確だったから。数字面は僕、教育は堀之内(代表の堀之内大介さん)だよね、みたいに。
片山:ウチは昨年2店舗目を出したんですが、サロンを増やすのって難しくないですか。数が増えるとクオリティの維持が難しくなるようなが気がしていて。だから僕らはまずスタッフを育てることに注力しています。
飯田:人を大切にしているサロンって勝手に大きくなってしまうものなんだよ。僕らは10年目なんだけど、今それを実感してる。席が足りなくなったら、店を増やすしかないよね。
片山:人が辞めないサロンはどうやってつくったんですか。
飯田:いろんな要素があると思う。福利厚生も大事だけど、やっぱり都心で美容師をしたい子達って、自分の夢を叶えられる環境で働けるかどうかがすごく大事なんだよ。いくら労働条件がよくても、「思い描いていたのと違いました」と言ってやめる子もいるからね。