【jurk東京で始動】名古屋発ブランディングサロンを成功させた沢井卓也はなぜ東京出店を決めたのか。ファッション界への歩み、オールスターを輩出するバリューも注目

“着飾ること”はjurkの原点。ファッション思考なブランディング

 

水戸:名古屋店も東京店も、ヘアサロンとアパレルのセレクトショップという複合店という業態です。jurk=ファッションというイメージを確立させた戦略は?

 

新美:アパレル展開はずっとやりたいと考えていたので、サロンの名前にファッションの要素を入れたいという2人の思いがありました。jurkの語源はオランダ語で“着飾る・ドレス”という意味があるのですが、名前にファッションに繋がる単語を入れることで、逃れられなくしてしまった感じですね(笑)

 

 

ショップを出すからには、ちゃんとした形で作りたいと思っていて。サロンにただ洋服を置いているだけでは、お客さまにもあまり響かないと思ったので、最初はサロンとしてのjurkの名前を広めることに注力しました。サロンのコンセプトでもある“ファッションとライフスタイル”を確立させるためにも、しっかりブランディングをする必要があったので。

 

まず、サロンのルックで自分たちの好きなブランドの洋服を起用することで、ファッション要素を全面に出して、ファッション層のお客さまを取り込む動線作りに力を入れました。当初は古着でもいいかなと思っていたのですが、サロンとしてのjurkをブランディングしていく中で、古着ではないなと思い始めました。ブランドさんに営業に回った結果、久屋(再開発中の名古屋の中心地)への拡張移転のタイミングで、セレクトショップとしてオープンさせました。名古屋も東京も、アパレル経験者の専門スタッフがいるということも、ショップとしては重要なポイントですね。

 

 

沢井:サロンとアパレルをブランディングする上で、まずSS、AWのシーズンのビジュアル撮影を半年前にやると決めています。アパレルは常に半年から1年後のトレンドで動いているので、オンタイムでやっているのではもう遅い。展示会で次のコレクションをチェックしたら、その洋服をリースして、半年前にビジュアルを打ち出していく。これがjurk独自のブランディングですし、発信力の高さにも繋がっていると思っています。

 

 

 

モードとカジュアルが共存する空間

 

水戸:南青山・骨董通り沿いに構えたjurk tokyoですが、内装のこだわりは?

 

沢井:jurk tokyoは、1フロアの中にアパレルとネイル、サロンが共存している空間。各エリアで内装のコンセプトを変えることで、それぞれの空間を楽しめるようにしています。

 

 

入り口のドアを開けて進むと、まずはショップフロアへ。こちらは観葉植物や明るいグリーンを取り入れたナチュラルなイメージ。奥のサロンは少しストリートを意識しつつ、クールで洗練された雰囲気にしました。ショップ側から美容師の姿がかっこ良く見えるように、天井の高さや奥行きを活かすレイアウトにしています。間取りは少し複雑なんですが、それが美容室としては都合が良いので、物件を見てすぐに内装のイメージも湧きましたね。ショップからサロンに行く途中のネイルブースはオレンジを基調としたり、フロア毎に床の高さを変えることで、空間のグラデーションを演出しています。

 

 

新美:ヘアとネイル、ファッションをトータルでお客さまにご提案できるというのは自分たちとしても1番しっくりきているし、何よりもお客さまに喜んでいただけるので、東京店でも必ずこのスタンスを取ろうと決めていました。そして1フロアでそれが実現出来たのは本当に良かったです。というのも、名古屋店はサロンが1階、ショップが3階と分かれているからです。東京店はレセプションにいながら全体を見渡せるので、お店全体の雰囲気も作りやすくなりましたね。アパレルショップとネイル、サロンという動線があることで、顧客満足にも繋がっていると感じます。服屋さんかと思ってふらっと入ったら奥にサロンがある、美容室っぽくない美容室です(笑)


 

>コロナ禍でこそ確立された、jurkのブランディング力

 

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