美容師3年目がサロンを丸ごと借りて“プレ独立” 夢を叶える事務所「Je suis heureuse」の初の試み
「独立して別ブランドを立ち上げても、関係が途切れるわけじゃない」(石山)
―TAKEKIさんは、実際にオーナーの立場を経験して、今どんなことを感じていますか?
TAKEKI:3年間、辛い想いをして乗り越えてきたこととやることはあんまり変わらないなと。ずっと1席でアシスタントなしでやってきたので、基本的にやっていることは変わらないし、わからないこともはっきり見えてくるんですよ。自分で調べてもわからないことに関しては、亮さんに聞けば明確な答えが返ってきますし。材料費がガツンと口座から引き落とされたときは、一瞬「おぉ…本当に自分で払ったんだ」と思いましたけど、それ以上に売り上げているのでビビることはなかったです。
でも、やはり考え方は変わりつつあります。これまで一人でやってきましたが、一緒にやりたいと言ってくれる子もいまして。自分だけではなく、誰かの人生もサポートするためにという感覚が生まれました。僕にはその責任があるんだ、と。
―独立に向けての物件イメージはありますか?
TAKEKI:場所は表参道って決めています。ずっと表参道でやると決めていたので、学生時代のアルバイトも表参道でやっていたんですよ。僕と一緒に働きたいと言ってくれている子も、「どこで働きたい?」と聞いたら、「表参道」と言ってくれたので、その夢を叶えてあげたいなと。
サロンのイメージとしては、物件にもよりますが2席以上。お客さまとしっかり向き合って、喜んでもらえる環境をつくりたいと思っています。一番大事だと考えているのは「あ、ここだ!」とお客さまに感じてもらうこと。ディズニーランドには、絶対にディズニーランドにしか実現できない世界があるじゃないですか。ここにしかないと感じてもらえるサービスや空間を必ずつくります。目に見えるもの、見えないものも含めて、他には絶対にないサービスを提供すること。僕にはそれができる自信があるから、どんな時代になっても絶対に負けません。
―独立後は、完全にJe suis heureuseから離れることになるんですか。
石山:彼は完全に独立して別のブランドを作ることになるんですが、お互いにアーティストとして所属している事務所は変わらないというイメージですね。Je suis heureuseは、タレントやアーティストの事務所のような関わり方を目指しています。事務所に登録している人たちがつながって仕事をする応援もしたいし、TAKEKIくんのように人生の目標に向かって進む人たちも応援していきたいです。
TAKEKIくんにサロンを任せているので、今は僕の経営するサロンの一つ、言い換えれば収入源の一つが使えない状態なんですね。でも、僕はそこまでしてでも、Je suis heureuseのコミュニティに価値を感じてもらいたい。実際にやらないと本気度が伝わないと思っているので、行動で示しています。
Je suis heureuseにもまだまだ課題はあります。でも一つずつ潰していって、みんなに価値を感じてもらえるようにしたい。それが、Je suis heureuseのチームの強さにつながるし、世の中に対する価値にもつながると思っています。
プロフィール
Je suis heureuse
石山亮(イシヤマリョウ)
神奈川県出身。住田美容専門学校卒業。2009年kakimoto arms入社。2013年に独立し、『Freelance Hair Stylist』として活動開始、ヘアメイクチーム “Je suis heureuse” 結成。2015年 “Je suis heureuse Tokyo” を表参道にオープン、2016年 “Je suis heureuse Miel” を表参道にオープン、2018年ヘアメイクアトリエ “Je suis heureuse Gris” を設置。2019年ヘアメイクサロン “Je suis heureuse Lien” を渋谷にオープン。現在、自らサロンワークとヘアメイク業を行いながらプレイングオーナーとして活動。
プロフィール
TAKEKI
早稲田美容専門学校卒業。学生時代からイベントやクリエティブ活動を展開し、新卒でJe suis heureuseに加入。入社後1年で月売300万円達成。2021年の独立を目指すべく、Je suis heureuse Mielにてオーナー経験を積んでいる。表参道に店舗出店予定。
(文/外山 武史 撮影/菊池麻美)