【広瀬和輝×松岡諒×かとし】盲目的SNSが視野を狭める!? SNS動乱時代だからこそ大切にしたい組織の美学と、洗練されたオトナ思考
士気を底上げして「夢」を見れる業界に
——皆さんは今それぞれの道で第一線で活躍されていますが、学生時代にどんな美容師になりたいと思われていましたか?
松岡:僕は若いときにたくさんお金を稼いで、誰かに影響力を与えられる人間になるという生き方に憧れがあったんですね。いい財布やいい服を買おうなんて意気込んでいましたが(笑)、シェアサロンのバックオフィス業務に加えてフリーランスになって収入が増え、高級ホテルに泊まったりハイブランドを買ったりしてみたら「あれ?なんか全然満たされない…」と気づいちゃって。そのあと起業して、少ない役員報酬の中で毎日高みを目指して共に仕事をするスタッフみんなとご飯を食べている時に、すごく満たされているのを感じたんです。
かとし:僕は美容師の社会的地位を上げることをテーマにしているので、学生を喚起させられるような存在になろうと思っていました。今は、ブランディングとして死ぬほどお金を使っています。稼ぎ過ぎて法人化したんですけど、22歳でそれができるお店だということをどんどん発信して、それを目標に頑張ってくれる人が増えれば業界にとってプラスになると思っていて。近々、家賃も倍にしようと。使った分だけ稼げるという感覚があるので、とことん攻めていくつもりです。全体の士気が上がれば基準はどんどん上がっていくので、積極的に発信していきますよ。
松岡:かとし君のようなブランディングで発信するのもありですよね。もうひとつは、僕らのように「お金は当たり前にあって、その先の本質の楽しみを掴みにいこうぜ」的な見せ方。というか、広瀬はめちゃくちゃ稼いでいるのに、全然そういう発信をしないよね(笑)。
広瀬:しないです(笑)。ひとつ思うのは、お金を実際に稼いだ人だけが、その先の価値観にたどりつけるということです。だから、最初は「ブランド欲しい!」という思いでがむしゃらに頑張るというのも、全然いいと思うんです。頑張り続ける環境さえあれば、本質にはいつか気づけるので。僕はマネジメントや教育をしているので、”頑張れる環境づくり”はテーマにしていて、それには美容師の楽しさを感じてもらうことが大事だなと思っているんですね。できなかった技術ができるようになっていく楽しさやお客さまの笑顔、売上が上がる喜び、後輩が育つ感動など、この仕事の楽しみはいっぱいあるじゃないですか。成功体験を一緒に積み上げて、それを日々感じられるようにすることはいつも考えてます。
かとし:美容師の仕事は、本当にすごいなって思うんですよ。地元の大学に通っていた友達が今年卒業して社会人になったんですけど、僕はすでに彼らの10倍は稼げているので。頑張れば、20代前半でも実現できるのが美容師です。相当な努力が必要な領域ではありますが、僕はこれから全国にそのやり方を広めていきたいなと思っていて。夢を見れる業界にしていきたいです。
松岡&広瀬:みんなでいい業界にしていきましょう!
(文/織田みゆき 撮影/松林真幸)