【広瀬和輝×松岡諒×かとし】盲目的SNSが視野を狭める!? SNS動乱時代だからこそ大切にしたい組織の美学と、洗練されたオトナ思考
長く続いている美容室に「本質」がある
——かとしさんは先ほど、サロン選びの条件として「オーナーがスタッフを打ち出していることが決め手になった」とおっしゃっていましたが、その視点はかなり新しいというか、時代だなという気がします。
松岡:就活の時点でその判断軸が見えていたというのは、すごく優秀ですよね。僕は経営者になってから、初めてそこに目がいったので(笑)。最近気づいたんですけど、トップがいつまでも前面に出て、下の人がそれをヨイショする組織というのは他業界にはもうないんじゃないかと。美容業界も、その時代は終わったと思っています。そういう組織を好まれる方もいると思いますが、いち早く活躍したいという気持ちがある方は、かとし君のような判断軸でサロンを選んだほうがいいですよね。
広瀬:業界で20年、30年と長く続いている会社を見ると、トップが“象徴”として君臨しつつ、仕事は下に渡して育てていくという文化があるので、それが一番いいなと思います。成功法のひとつなのかなと。時代的にも若手が前に出ていかない組織は長く続かないと思いますね。でも、その環境に救われている人もいるのかもしれないので、どちらもあっていいと思っていて。とはいえ、「いい会社」と評されるのは前者なのかな。
松岡:ですね。僕も経営者として、スタッフをできるだけ早く育てようと注力していて。具体的にはセミナーを任せていこうと思っているので、練習を重ねながら教えているんですけど、早いうちから活躍できるサロンというのは、そういうスタイルじゃないと実現できないと思うんですよ。それと、サロン経営者になってわかったのは、1〜2店舗の経営ではオーナーは贅沢三昧なんかできません。よほどの大型店じゃない限り。これは、就活する際にサロン選びのひとつの視点として持っておくといいんじゃないかなと思います。
かとし:経営の健全さは、スタッフがどれだけ稼いでるかが基準になると思うんですよ。オーナーのはぶりの良さではなく。
松岡:そうですね。ただ、学生さんにはその目線がないかもしれない。コミュニティで年収の理想額を挙手させてみると、1000万以上で挙げる人は40人いたら2人くらいしかいないんです。600万が一番多くて、「え、それだけでいいの?すぐいっちゃうよ?」っていう(笑)。
広瀬:僕は、まさにそのタイプでした。地方の田舎育ちなので、”年収1000万”というのは大富豪のイメージでしたから。ステップを踏まないと、想像すらできないんです。家庭環境や、それをイメージさせてくれる人との出会いで違ってくるとは思うんですけど。
松岡:かとし君みたいな学生が増えてくると、その基準も上がってくるでしょうね。