「美容師×TikTok」前例がないSNSに賭けてみる価値は、必ずある―hardi EAST鶴谷和俊さん
美容師個人が自由にスタイルを発信できる時代になり、集客のシステムはここ数年でめまぐるしく変化しました。美容師の宣伝ツールとして最もポピュラーなのはInstagramですが、最近はTikTokを活用する美容師も増えはじめています。
そこで今回は、TikTok活用の先駆者である、兵庫県神戸市のサロン「hardi EAST(アルディ イースト)」の代表・鶴谷和俊(つるたにかずとし)さんのもとへ。鶴谷さんはTikTok主催のコンテストで見事グランプリを獲得し、着実に自身の認知度を高めています。なぜ表現の場にTikTokを選んだのか、そしてどんなメリットがあるのか…。気になる実情に迫りました。
東京と神戸。2つの地でサロンワークをこなす日々を経て
僕が美容師に興味を抱いたのは高校3年生のときです。当時は“カリスマ美容師”という言葉をよく耳にするくらい、美容師ブーム全盛期。僕自身も「かっこいいな、なってみたいな」というシンプルな憧れからこの道を志しました。
初めに就職したのは神戸の小さなサロンです。年齢層が高めのお客さまが多く、上品なテイストの店でした。そこで1年ほど働いたのち、神戸にある別のサロンへと移ります。スタイリストになったのは、25歳でした。ここからは少々複雑なんですが、28歳ごろから神戸のサロンに在籍しつつも東京に住み、神戸と行ききをする生活をはじめました。1ヵ月のうち、3週間は東京、1週間は神戸という割合で仕事をし、東京では原宿と青山の面貸しサロンで働いていました。2017年に12年間在籍したサロンを離れ、フリーの美容師に。今度は、東京と神戸の生活の割合を逆転させ、神戸に拠点を移しました。今年の6月からは、神戸市中央区に新たにオープンした「hardi EAST」の代表を務めています。
Instagramは飽和状態。将来性に賭けてTikTokにチャレンジ
Instagramは2015年から、2016年からはアメーバブログさんに声をかけていただきブログもスタートしています。しかし、Instagramが美容師の集客ツールとして飽和状態になっていると感じ、新天地を求めて2018年の11月から並行してTikTokをはじめました。
TikTokは、他のSNSに比べて若い世代が多く使っているので、フォロワーの年齢層の幅を広げられるのではないか、という期待がありました。そしてTikTokを使っている美容師が少なかったので、未来への“投資”にもなるんじゃないかと考えたんです。Instagramを集客に繋げようと思ってはじめた人は、前例があったうえで行動を起こしています。まだ前例のないTikTokは、続けることでどんなメリットがあるのかが明確にはなっていませんが、可能性や将来性に賭けて、“前例”を作るために最初の一歩を踏み出してみようと思ったんです。