美容師派遣のお仕事事情 －あなたのお仕事どうやって決まってると思います？－
美容師の働き方の1つとしてすっかり定着してきた美容師派遣。ですが自分の仕事先がどのように決まっていくのか、外からではなかなか見えてきません。“勤務先やシフトは選べるの？” “仕事はすぐ決まるの？” “ホントにベストマッチングを考えてくれてるの？”など内情が気になります。
そんな美容師さんのためリクエストQJキャスティングで美容師派遣のコーディネーターをする町田聖さん（33歳A型おひつじ座）に1日張り付いてそのお仕事ぶりを観察してきました！
美容師派遣コーディーネーター町田聖のお仕事
町田の携帯電話には1日中ひっきりなしに派遣登録したスタッフさんから電話がかかってきます。そして「曜日固定で週3働けるところ渋谷でありますか？」とか「来週1週間空いているので働きたいんですけど？」とか、果ては「明日仕事ありますか？」なんて急なものまであらゆる派遣希望が･･･。
今回密着したのは、前日に派遣登録したばかりの山本花さん（仮名、26歳女性スタイリスト）のお仕事が決まるまで。退職してまだ一週間という、現役バリバリの山本さん。果たして町田は望みどおりのお仕事を紹介することができるのか。
希望条件のヒアリング
山本さんの希望は週5日勤務で通勤は30分以内というもの。ごくごく普通に思えたが、町田が深くヒアリングすると、いろいろ出てきます。
お付き合いしているカレと予定を合わせたいとのことで、できれば日曜日休みが欲しいとのこと。また先日まで勤めていたサロンが、売上重視であまりお客さまを大切にしていなかった模様なので、そのあたりの雰囲気も重視しているみたい。
といったように、まずはどんな条件で働きたいのかをヒアリング。勤務地・通勤、勤務時間・仕事内容（スタイリストだけど仕事はアシスタントの範囲だけでなんてこともあります）・時給はもちろん、どんな雰囲気のサロンがいいかなんてことも確認です。ヒアリングでしっかり聞き出せていないと、働いてみたらイメージと違った、とクレームになりかねません。
最適なサロンをサーチ！
山本さんの希望を元にマル秘データベースでの派遣先を検索。希望に合う派遣依頼を徹底的にサーチします。日曜休みが難関。路線図をみて30分の通勤時間で通る駅をすべてピックアップ。「こっちの線なら30分以内であるな･･･」
意外と大事と言いながらチェックを入れているのが、登録時に確認しているシャンプーのサイド・バックの選択。山本さんはバックシャンプーのみ。これを間違えると派遣先でスタッフさんがテンパること間違いないとか。
データベースには、基本の条件だけでなく、スニーカーはOKか？ タトゥーは？ 内装は？ スタッフさんの雰囲気は？ などなど普通のネット検索では分からないコア情報も入っています。さらには、「スタッフルームが煙草くさかった」「スタッフさんの声が大きい」など今までの派遣履歴情報も。人によってはマイナスになりうることや、まったく気にならないような小さな情報もきめ細かく網羅しています。
データベース以外からも仕事を探す
しかしここで町田は発見しました。山本さんが「できればここがいい」と希望している駅に、現在は募集していないが、希望にピッタリ合うAサロン（仮名）があることを。先日まで派遣で行っていたスタッフさんからも「お客さまとの距離も近くアットホーム」との報告が。これぞ山本さんに最適なサロン。
ここで町田、マッチングを極めるため奥の手を。営業担当と連携して派遣希望の出ていないAサロンに“退職して1週間の現役バリバリのスタイリストさんがいるんですけど！技術も高いし週5で入れますよ！”とプッシュ！ ごりごり押していく町田、今年33歳。コーディネーターの鏡。見事Aサロンから派遣依頼を勝ち取ったもよう。
コーディネーターはスタッフさんの希望に合わせて、常時300件以上の派遣依頼が詰まったデータベースからピッタリの派遣先を探します。さらに今回のようにサロンにスタッフさんをプッシュすることも。
スタッフさんにお仕事の紹介
早速山本さんに連絡する町田（ちょっとうれしそう）。今回はAサロンだけでなく、希望に合ったお仕事を複数メールしています。山本さんにヒアリングした条件だけでなく、Aサロンの雰囲気や以前派遣で行ったスタッフさんに聞いた印象なども書き添えています。“木目調でグーリーンの多いナチュラル系の内装です”。こ、細かい･･･ そして待つこと数十分。山本さんから「Aサロンがいいけど終了時間を１時間前倒しにしたいのですが」との連絡が。やっぱりAサロンだった、と小さくガッツポーズの町田。マッチングがうれしい様子。しかし終了時間をどうするのか、町田･･･
スタッフさんへのお仕事紹介は、働いている姿が明確にイメージできるように連絡します。スタッフさんからは希望の派遣先と共に「シャンプーグローブ使いたいけれど」「勤務時間をずらしたい」など要望が飛んでくることも。この辺りの交渉もコーディネーターの腕のみせどころです。
派遣先サロンへの確認
再度、営業担当を通じてAサロンへ連絡する町田。依頼状況が変わっていないかなど最終確認。それと同時に山本さんからの要望の交渉もおこないます。「先ほどの美容師さんが終了時間を1時間前倒しで就業したいということなのです。すごく仕事速いですし、ブランクがないので技術も高いし、雰囲気も合ってるとおもうんですよね！」ごりっ。そんな努力の甲斐あって山本さんの要望も無事通り派遣決定です。同時に服装などの注意点も再確認。
条件が合えば派遣決定。コーディネーターはスタッフさんの技術はもちろん、髪の色や服装の系統なんかもこっそりチェック済み。そんな細かなところでもマッチングの行き違いを回避しています。
スタッフさんに報告を！
派遣先が決まったことをほくほくと山本さんに報告する町田。服装などの注意事項も確認します。
「スニーカー、オッケーです。カジュアルでいいですけど破けすぎたジーンズとかは避けてください」。さらには「礼儀がきちんとしているサロンだから挨拶しっかりしてくださいね」とか「明日はこの駅でパレードあるみたいだから早く出て遅刻しないように気をつけて」などとオカンのような気配りをみせながら派遣マッチング終了。
うれしそうな町田。でも派遣したスタッフさんから「ピッタリのサロンだった、また行きたい」といわれたときが一番うれしいそうですよ。山本さんにも言ってもらえるといいですね。
サロンと条件が合わなかった場合はその理由も含めてスタッフさんにフィードバック。他で決まってしまっていたり、意外と予約が入ってなくてその日は人がいらなくなった。なんてこともあります。決まらなければ再度希望にあった派遣先を紹介していきます。
町田さんの何が何でも派遣先をマッチングさせるという情熱にたびたびやられながら1日密着を完了。山本さんの派遣先も無事マッチング！ 現状では依頼のない派遣先に「こんな人いますよ！」と推しに行ったのが本日のハイライトでした。
こんな町田さんがコーディネーターを勤める美容師派遣サービス、リクエストQJキャスティング。「こんな希望マッチングできるのかな？」という要望も、思い切ってぶつけてみる価値がありそうですよ。
（取材・文／QJナビ編集部）
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