次世代のガーリーカルチャーをつくる。かわいいもの好き女子に愛され続けるために伝えたいこと ➖Bettie山本由美子さん
原宿でガーリーカルチャーを発信し続けるために、次世代へバトンを渡す
数年前まではファッションの情報は雑誌がメインで「この人みたいになりたい」とか「〇〇ちゃんに憧れていて、お店にきました」というお客さまが多い印象がありました。好きなものがピンポイントで、いい意味ですごく偏っているというか。お客さまが何を求めているのか、すごくわかりやすかったんです。
今は、ナチュラルが流行っているのもあって、コアなテイストを好む人が少なくなった印象があります。また、影響を受ける媒体が映画や雑誌ではなく、SNSやYoutubeに変わったからなのか、これ! というよりは、かわいい雰囲気が好き。という方が増えていると思います。
以前までは私自身が原宿の若者に目線を合わせて、感覚を共有することが大事だと思っていました。だけど、世代が離れてくると、影響を受けるメディアが違いすぎて、同じ目線でいることが難しくなってきたと感じています。
だけど、私の好きなものはずっと変わらないし、それが好きだと言ってくださる方もいます。オーナーである私が若者に合わせ過ぎると、お店のイメージがブレてしまいますよね。だから今、Bettieの若いスタッフたちに、若い価値観や、自分たちが影響を受けたものをミックスした新しいガーリーカルチャーを提案していってほしいって考えているんです。
Bettieでは、シーズンごとにお店の推しスタイルをスタッフ全員で決め、そのスタイルにそれぞれのマイブームや表現したいものをさらにミックスして提案するようにしています。
Bettieの若手スタッフが目指す新しいガーリーカルチャー
ガーリーカルチャーを発信し続け約10年。これからは若い世代の子に伝えていくタイミングだと語る山本さん。最後にBettieで働く若手スタッフ2名に、これからの意気込みをうかがいました!
高橋智美さん
私は雑誌で「かわいい」と思うスタイルを見つけると、それがいつも山本の提案したスタイルやヘアメイクで、もともと山本の発信するガーリーカルチャーにハマったファンの1人でもありました。そこから山本の影響もあり、ガーリーカルチャーにまつわる古い洋書を収集し、自身のファッションも洋書を参考にするようになりました。
現在サロンでは、ぺこちゃんとりゅうちぇる君の担当をしています。原宿カルチャーの真ん中にいるような夫婦をセットで担当できるのは貴重なこと。お二人の90年代アメリカンを意識したスタイルは自分自身にとっても新鮮で勉強になることがたくさんあります。山本から教わったように、自分らしさを取り入れたミックス感を大事にしながら、新たなガーリーカルチャーが発信できるようにこれからもっとがんばっていきたいです!
酒井ちひろさん
私はもっと自分の好きな世界観に特化し、それを追求できるようなサロンで働きたいと思っていたときに、Bettieと出会い、入社しました。もともと90年代の映画や洋楽が好きで、自分の表現したいことがBettieならできると思ったんです。
今後は山本のそばで学んできたBettieらしさも大切にしつつ、自分の好きなヴィンテージファッションのエッセンスを取り入れながら、ガーリーカルチャーをみなさんに伝えていきたいと思っています!
- プロフィール
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山本由美子
Bettieオーナー/スタイリスト
美容学校の通信課程へ入学後、2000年に都内サロンに入社。2007年「Valentine」の立ち上げに参加し、ガーリーカルチャーを追求。雑誌やアパレルブランドのヘアメイクとしても活躍し、2015年に独立して「Bettie」をオープン。
(取材・文/土屋美緒 撮影/芝崎テツジ)