話題のミニシアター映画『ガザの美容室』をLECOが鑑賞。改めて思う、美容のパワーとは?
今、美容室を題材にしたミニシアター系の映画がじわじわ話題なのはご存知ですか?『ガザの美容室』というパレスチナ、ガザ地区の小さな美容室を舞台にし、そこにきている女性客と美容師にフォーカスしたワンシチュエーション映画です。
長年、ガザ地区は血なまぐさい衝突・紛争が日常的に起こり、悲惨な状況が続いています。しかし市民は普通に生活をし、女性は身だしなみを整えに美容室に行く…そんな日常を描いた映画『ガザの美容室』を、社内教育の一環に映画観賞を取り入れている『LECO』の代表、内田聡一郎さん、小林賢司さん、浅野絢美さんに観賞していただき、映画の感想から美容の持つパワーまで、ざっくばらんに語ってもらいました。
〈映画イントロダクション〉
パレスチナ自治区、ガザでの美容室は女性客で賑わっている。
離婚調停中の主婦、信仰深い女性、結婚式を控えた若い女。美容室は女性たちのとりとめのない会話を興じていた。しかしある瞬間、外で銃が発砲。女性たちを残したまま美容室は戦火に取り残される。極限状況の中、女性たちは平静を装い、マニキュアを塗ったり、セットを続けるが、やがてストレスで諍いが起こる。するとひとりの女性が叫ぶ。
「私たちが争ったら。外の男たちと同じじゃない」
−−ガザ出身の監督が苦しむパレスチナではなく、戦争中でも人生を選択している女性にフォーカスし、日常を生きる女性たちを映画にした。
−LECOさんの社内教育の一環に映画鑑賞があると伺いまして、今回企画のオファーをさせていただきました。
内田:教育というかたいものではなく「みんなで映画見ましょう」くらいのノリなんです。でもやろうと思ったきっかけは、最近の若い子って特に洋画を見ていない子が多いなと思ったんです。映画全体のシチュエーションやファッションからインスパイアされることってすごく多いから、特に洋画は作り込み方や文化も違うし、そういう刺激をもっと受けて欲しいと思ってはじめたんです。
女性の美に対する感覚は、国は違えど同じ
−今回、『ガザの美容室』ご覧になっていかがでした?
内田:予備知識なしで見たんですけど、タイトルから想像していたものとは違っていましたね。まさか美容室の中だけで展開するワンシチュエーション映画だとは。
普段は見ないタイプの映画だったんですけど、戦争が日常で起こることについてすごく考えちゃいましたね。
小林:僕はぶっちゃけ映画に対して疑問がわきました。あまりにも日本と違うガザの日常にリアリティを感じなかったんです。宗教に関する映画は好きでよく見てるんで、見た後にガザ地区の歴史や現状についてむちゃくちゃ調べました。
あと、イスラム圏の女性ってみんな髪を布で隠して生活していると思ったんですけど、意外と普通に美容を楽しんでるんだな、って思いました。意思も強いし。
内田:あ、それ俺も思った。みんな問題抱えているお客さんばっかりで、「店内の音楽うるさい!」って普通にクレームいうし、お客さん同士で喧嘩するし(笑)。でも最後はみんな優しくなる。下町感あったよね。
浅野:美容室にいるときに爆撃が起こって、監禁されて不安の中、気持ちを落ち着けるために赤い口紅を塗り直しているシーンは同じ女性として共感しました。私も焦ったとき、リップを塗り直したり、身だしなみを整えたりするので、生まれたところはや境遇は違っても女性の美に対する感覚って共通するところがあるんだなって思いました。
>紛争下で描かれた美容室のストーリー。最も印象に残ったシーンは?