労働条件だけで職場を選ぶ「薄っぺらい美容師」を増やしたくない
福利厚生は採用のためではなく、今頑張っているスタッフのためにある
ちなみに、GARTEは生涯雇用がテーマです。極論、どんな子でも稼げる環境をつくりたいんです。実際、22歳で月180万円売り上げている子がいます。月収にして40万円から50万円くらい稼いでいるその子が、
GARTEでは一番若手のスタイリストなんですよ。本人の頑張りが一番大きな要素だと思いますが、サロンとしてそこまで教育できたことは誇りに感じています。
教育に力を入れるのは、自分のためでもあります。仮に僕が手を失ったとしても、スタッフに教育することはできるのでお金を稼ぐことができるし、働き続けることができます。これはフリーランスでは絶対にできない働き方だと思います。もちろん、フリーランスになって稼いで、今幸せに働いている人もいるでしょう。そのことを否定するつもりはありません。でも、その姿に憧れて、深く考えずにフリーランスになることはリスキーです。
また、あえて公表していませんが、GARTEは福利厚生もかなりいいです。だけど、そこで人を集めるつもりはないんですよね。福利厚生にひかれてくる子は、GARTEには合わないです。それに僕は、1番になりたい、有名になりたいっていう子を応援したいから、その夢を叶えるために投資をしているのであって、福利厚生を求めてくる子たちのために投資をしたいとは思いません。福利厚生があまりよくなかったころから頑張ってくれたスタッフのために、福利厚生をよくしていきたいんですよ。
- プロフィール
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GARTE
代表/ATSUTOSHI/池田 充聴(いけだ あつとし)
1992年8月21日生まれ。北海道出身。国際文化理容美容専門学校・国分寺校卒業後、イギリスに留学。2014年に若干22歳で「GARTE(旧・GRADUATE)」の代表として、東京・代官山にサロンをオープン。その後、24歳で表参道に拡大移転。現在ではサスーン ヘアカットコンテストで、全国入賞を4年連続(そのうち優勝2連覇)という偉業を達成。国内はもとより上海でも、セミナー講師として活躍している。
(取材/外山 武史・撮影/菊池 麻美)