フィンランドに期間限定サロン!? 観光のはずが、思いがけない美容人生の幕開けに JEFF梅沢紳哉さん
フィンランドが出会わせてくれた“新鮮な自分”
フィンランドで働く人の話を聞いたり、現地の生活スタイルを目の当たりしたりするうちに、僕の働き方に関する意識も少し変わりました。向こうの美容室の多くは16時に営業を終了して、夜は家族と過ごしたり、趣味の時間をしっかりとったりしているそうです。そうやって自分自身を充実させて、翌日の営業の糧にする。たぶん働くことが人生の目的ではなく、仕事も生活の一部になっているのでしょうね。
僕だけでなく、日本の、特に原宿や表参道などの激戦区で働く美容師はみんなそうだと思うのですが、それまで僕はサロンを安定させることを考え、お客さまのため、お客さまのためとやってきました。それはやりがいがある一方で、苦しさもあることです。
もうちょっと自分中心でやってもいいのかも。
フィンランドにいたときに、ふとそんな気持ちになりました。例えばこうやって海外に行ってお店を閉めている期間、日本のお客さまには迷惑をかけていますよね。でも、くたくたの僕がサロンに立ち続けているよりも、パワーアップして帰ってきた僕がお迎えしたほうが、結果的にお客さまにとってもいいんじゃないか。そう思える自分を、いま少し新鮮に感じています。
ずっと探っていた、美容の仕事の次なるステージ
僕は今、47歳。このマンツーマンスタイルのサロンももうすぐ5周年を迎え、ある程度の完成を感じています。フィンランドに行く前は、今までやってきたことをベースにして、次は何ができるんだろう。この美容師という仕事に、どんな広がりを見出せるんだろう。そういったことを探りながら、どうしても見つけきれず、もどかしさを感じていました。
それが降って湧いたように、海外に出るという新たなステージが向こうからやってきた。
フィンランドでの仕事に慣れたら、他の国でも同じようなことができるかもしれないし、もしかしたら完全に日本を離れて旅する美容師になってしまうかもしれません(笑)。フィンランドに行ったことで、僕の美容人生に新たな広がりと可能性が生まれました。一昨年の今頃はこんなことはまったく予想もしていなかった。僕の美容人生はまだまだおもしろいものになりそうです。
- プロフィール
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JEFF
代表/梅沢紳哉(うめざわ しんや)
(株)JEFF INC.代表取締役。東京都出身。山野美容専門学校卒業。神宮前のヘアサロンを経て、2012年3月にマンツーマンスタイルのサロン、HAIR SALON JEFFをオープン。著書に「HAIR DESIGN BOOK for men」がある。
(取材・文/福田真木子 写真/河合信幸)
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