エンタメ業界を支える、アデランスの芸能用ウィッグって?

映像の分野でも輝く、芸能用ウィッグの存在

 

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アデランスの文化芸能部門(スタジオAD) 活動イメージ

 

舞台と映像の世界で、ウィッグ製作における違いを尋ねると、

「映像の分野ではカメラがズームしても自然に見える、自然に溶け込めるウィッグにします。それは我々が今までの増毛・カツラの分野で研究を重ねた得意分野です。

ですが舞台は違います。映像とは違い、後ろの席にいるお客さままでシルエットやデザインを届けないといけません。だからと言ってそのウィッグをかぶった俳優さんが鏡で見て納得できないとその役に入り込めなくなってしまう。

遠くで見ても近くで見ても違和感なくそのキャラクターを伝えられるようなウィッグにできるよう心がけて製作しています。また舞台では長時間ヘアスタイルをキープさせるために、人工毛を使うことが多いですね」

 

お客さまを盛り上げるのはもちろん、俳優さんの気持ちをもウィッグで高める。舞台も映画もテレビドラマでも、ウィッグ使用のキャラクターを演じる時は必ずアデランスに指名を入れる人気俳優も多数いるという。

 

映画がフィルムで撮られていた時代。とある有名監督とのエピソードも教えてくれた。

「当時の監督いわく、フィルムによって色が違うからと、どのメーカーのフィルムを使うのかを選ぶところからはじまるんですよね。

また今のデジタル時代とは違って、フィルムは高価ですからカメラテストの回数も限られています。ある作品で黒髪のウィッグを役者さんに合わせをしたところ、『(髪の毛の)黒の色が違う』と言われたんです。

確かに黒髪でも墨黒の黒、赤い黒、緑の黒…と違いはありますが、最初は『なんでそこまで(髪の色に)こだわるんだ?』と理解ができませんでした。ですがカメラテストの試写を見ると納得してしまいます。映画の雰囲気、フィルムの色、全て含めて髪の毛の色までこだわっている理由が理解できてしまうんですよね。今、デジタルで鮮明に映せるからこそ、ふと思い出してしまうエピソードです」

 

厚い信頼を受けて、ドラマや映画、舞台をはじめさまざまな仕事が待ち構えているという。エンタメ業界からのこだわりに応え続けてきたアデランスの文化芸能部門。今後、作品を鑑賞する時にはより一層ヘアスタイルにも注目してみてほしい。

 

プロフィール
アデランス 文化芸能部 

アデランスの文化芸能部門として、ヘアメイクや特殊メイクなどの専門の技術をもったエキスパートで構成され、舞台をはじめ映像の分野でも幅広く活躍。

(取材・文/高橋 優璃)

 

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