日本よりも◯◯!? 日本の美容師が見た、ギリシャとデンマークの美容事情
髪を切るだけじゃ通用しない美容の仕事
デンマークはファッションよりも、家の中でいかに快適に過ごすかという点にお金をつかう文化の国でした。家具や芸術品、また食べ物や日用品の質にこだわる方が多かったですね。環境意識も高く、食はもちろん、可能なものはほとんどオーガニックのものを選択しているようでした。
美容に関しても身体の内側の健康と美しさが切っても切り離せないものだという認識が、当然のように持たれていました。だから美容師の仕事もただ髪を切ったり、ヘアデザインを提供するだけでは足りないんですね。健康美に関する知識をちゃんと持っていなければ通用しないと強く感じました。私の場合は日本人ということもあり、東洋医学や陰陽五行について、またマクロビオティックなどの食文化について聞かれることが本当に多かったです。
デンマークから宿題を携えて
東洋医学についてちゃんと学びたい。デンマークでお客さまや友人からの質問に答えられず歯がゆい思いをした私は、そんな目標を持って日本に帰国しました。そしてサロンオープンの話をいただき、このエンテレケイアをオープン。ヘアカラーなどの化学薬品を使うメニューをすべて手放し、ケミカルフリーの自然派サロンをコンセプトに選びました。
本当のことを言うとヘアカラーデザインも大好きなんので、少しは迷いました。でも徹底してやらないと、こういったサロンを求めている人には答えられないし、安心していただけないですから。ギリシャとデンマークで私自身が実感した食養の大切さや、ハーブが持つ癒しの効果を、このサロンで1人でも多くのお客さまと共有、共感できたらと願っています。
- プロフィール
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Entelecheia
プロデューサー/瀧澤 香織(たきざわ かおり)
都内のサロンに勤めた後、2003年ギリシャに移住。サロン勤務を経て、友人と2人でアトリエサイズのサロンをオープン。2013年出産を機に帰国。産後、ケミカルを扱うサロンワークに魅力を感じなくなり、2015年デンマークに移住。北欧のオーガニックライフに影響を受け、東洋医学を学びたいという思いで帰国。2016年、東京・下北沢にケミカルフリーの自然派サロン「Entelecheia」をオープン。
(取材・文/福田 真木子 写真/河合 信幸)