SNSに押されて休刊…美容師の熱意が導いた『CHOKiCHOKi』復刊物語 (後編)
クラウドファンディングで目標金額を215%達成
−復刊に向けてどんな準備をされたんですか?
三浦:何はともあれ原資が必要ですからね。紙代や印刷代がかかりますし。それでクラウドファンディングをしたんです。本を出してほしい人はいるから、ちょっとやってみようってことで。「クラウドファンディングでやるっていうけど、クオリティ的に心配」って声もあったんですよ。だけどそこは「俺がやるんだから。雑誌つくるのうまいんだよ俺」って言って(笑)。2019年の3月に実施し、目標金額が100万円で、215%の達成だったかな。
−すごい。でもそれだけでは賄えないですよね。
三浦:全然賄えないですよ。なので、自腹も覚悟で始めて以前からお付き合いのあるクライアントさんにお力をお借りしました。柳屋本店さんからはあたたかい応援メッセージの広告を出していただいて。『CHOKiCHOKi』ならまた出たい人もいるかもしれないってことで、いろいろな方々にも協力していただいて、ありがたかったですね。
−感動しちゃいますね。思い入れの強い雑誌なのかなって思います。
三浦:そういうふうに言っていただくこともありますが、僕はずっと心配していました。「ほんとに出たら買うの?」って。でもありがたいことに、美容師さんにとっては、この本に出ることに価値を感じてもらっているみたいで、誰が出るのかサロンの中で競争になっていたりするみたいですね。
−三浦さんは美容師さんとの距離、近いですよね。リスペクトしあっているというか。
三浦:みんなが言うには、僕が撮影中に話す言葉が、特徴あるらしいんですよね。
−どんなことなんだろう。
三浦:たとえば、美容師さんが「このグラデーションを見せたいから、こっちから撮ってほしい」と言っているときに「いや、それは読者に伝わらないと思うよ。人に見せるんだったらこの角度じゃないか?」って提案したりとか。
−なるほど。その目線が美容師さんから期待されているのかもしれないですね。