【日本の美容を世界へ】アフリカに美容学校を設立!?MR.BROTHERS CUT CLUBのバーバーアカデミーをガーナに設立。代表・西森友弥が語る世界標準の教育構想
世界中で支持されるオリジナル製品と技術の質
——西森さんは、世界中でセミナーをされているそうですね。
めちゃめちゃやっています。アメリカは年に3〜4回行くんですが、直近だと5月にニューヨークに行きます。うちのオリジナルプロダクトのポマードBROSH(ブロッシュ)を世界30カ国以上で販売しているんですけど、それが有名になったので、世界の飛び道具になってくれていて。BROSHに紐づいて呼んでもらえるんです。プロダクトの人気の理由ですか? そもそも繊細に作っているので高品質ですし、機能性がすごくいいんですよね。あとは、たくさん種類があるということと、日本製への信用でしょうか。
——LA店も順調だということですが、お客さまのメインは?
場所はダウンタウンにあるのですが、国内店舗のサロンを同じ雰囲気で、本場のバーバースタイルでやっています。ストリートカルチャーやアート作品をはじめ、オールドスクールと日本の伝統がミックスしています。
現地の人ばかりですよ。スタッフが1人だけ日本人で、あとは全員アメリカ人なんです。だから駐在の日本人を狙っているサロンでは全然なくて。普通に現地の方を切っています。
ガーナBARBER ACADEMY、留学レポート
ここで、単身ガーナに美容留学中の16歳の近藤茂樹(こんどうしげき)さんに電話インタビュー。初めての海外生活で、しかも場所はガーナ。その生活ぶりを伺いました。
BARBER ACADEMY一期生としてガーナ滞在中の近藤さん
ーー近藤さんがガーナに行くことになったきっかけは?
もともと父がMR.BROTHERSの西森さんと交流があったんです。子供の頃からスケボーばかりで中学にもあまり行ってなかった僕でしたけど、「バーバーをやりたい」という夢があって。でもいきなりMR.BROTHERSで働くのではなく、中学卒業後にあえてアフリカで学ぶ道を選びました。同時に窪田理容美容専門学校の通信科でも学んでいます。
ーーガーナではどんな学校生活を送っているんですか?
学校の中に寮があり、僕だけがそこに住んでいます。朝6時から授業が始まり、はじめの2時間はみんなで座学。衛生管理や保健などを学びます。ちなみにクラスメートは130人くらいて、僕以外全員ガーナ人です。みんな手先も器用で真面目。ここで手に職をつけて稼げるようになりたいという意欲の高い人ばかりです。
学校でのコミュニケーションですが、話していることをなんとなく理解できるようになりましたが、自分の言葉で伝えることはまだまだ難しいですね。ただ最近は翻訳アプリがあるので、すごく助かっています。とにかく、そのアプリの性能が凄すぎて、学校の授業では困ることはないですね(笑)
ーー生活面では困ったことはないですか?
いきなり停電になってしまうことが度々あります。バリカンでカット中に停電になると、もうお手上げですよね。あと衛生上、水もあまり良くなくて。レストランでの食事で出された水が、実は衛生的ではなかったりして腹痛に見舞われることも。生野菜とかを食べる時も、野菜を洗う水に問題があるので、口に入れる物には少し神経質になってしまいます。日本では当たり前なことが、ガーナでは当たり前じゃないんです。
ーーBARBER ACADEMYで学びはじめて、新しい目標は出来ましたか?
僕にとっての初めての海外生活がガーナ。すごく遠い国に来てしまいましたが、暮らしていくうちに、もう少しガーナで暮らしたいという気持ちが募ってきました。ガーナの人たちはとてもオシャレだし、BARBER ACADEMYの開校がきっかけで、今後の美容カルチャーもすごく変わってくる気がしています。もっと技術を習得し、アフリカヘアも日本人の髪にも対応できるバーバーになりたいです。そしてゆくゆくはBARBER ACADEMYの先生になりたいです。
- プロフィール
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西森 友弥(にしもりともや)
『MR.BROTHERS CUT CLUB』代表
三重県出身。16歳からヘアサロンに勤務。住田美容専門学校卒業後、都内のヘアサロンを経て2015年2月、東京・原宿に『MR.BROTHERS CUT CLUB』を開業。その後、大阪や福岡にも展開し、現在は国内に5店舗、アメリカ・LAに1店舗を展開。さらにオリジナルプロダクトを世界30カ国以上で販売し、不動の人気商品へと成長させる。2024年1月、アパレルメーカーCLOUDYと共にアフリカ・ガーナに公立のバーバーアカデミーをオープン。雇用創出のための事業を本格的にスタートさせた。
インスタグラム:@mrpotatohead59
(文/織田みゆき・リクエストQJ編集部 撮影/宮崎洋)