アジアにしかない美しさや魅力を発信したい! 台湾と日本の美容師、海を越えて築いたヘアショー“ATC”の挑戦に密着!−株式会社K’s/川原秀貴さん−
2019年9月初旬。日本を代表する人気美容師を引連れ、台湾で開催したヘアショー“ATC(ASIA TREND COLLECTION)”が話題を呼びました。
仕掛け人は株式会社K’s 代表取締役/川原秀貴さん。怒涛の勢いで成長を遂げる一つの企業が、サロンの枠を超えて海を渡り、なぜ台湾でヘアショーを開催したのでしょうか。台湾と日本のトップ美容師をアサインし、1000名を超える動員に成功した川原さんに、ヘアショーの開催理由と当日の様子を直撃しました。
台湾の美容業界を底上げしたい。全てはそこから始まった
−台湾でヘアショーを開催したきっかけは?
僕が代表を務めるK‘sは、2015年初めて台湾に出店しました。当時の台湾の美容業界は、閉鎖的な面がありましたね。
例えば、別のサロンと交流する機会は、ほぼゼロ。おそらく、オーナーが引き抜きなどを恐れていたんだと思います。ヘアショーなど美容師が表舞台に立つ文化もありませんでした。このままでは業界が発展していかないと考え、台湾美容師の成長につながる仕掛けをしたいと思ったんです。
そこでまずは、日本で活躍する美容師さんを講師として招き、セミナーを開催しました。
最初はプライドもあり抵抗があったように思います。しかし、日本の繊細な技術やトレンドを間近で見て感動し、受講生の目の色が変わりました。熱心に学び、レベルアップしていく台湾美容師の姿に、日本から来る講師の方々も大きな可能性を感じてくれています。
1ヶ月の売り上げが15万にも満たなかったのに、レッスンを受けたことで150万に伸びたスタッフもいます! 学んだことが結果につながるのが嬉しいようです。
美容師としてぐんぐん成長していく姿を見て、次のステージを考えたときに“発信の場”を作りたいなと思いました。そこで日本と台湾、海を超えた美容業界の活性化を願い、昨年ATC(ASIA TREND COLLECTION)が始動しました。
−ATCのコンセプトは?
“Asian Beauty”をテーマに、アジア各国の美しさを表現し、アジアにしかない魅力、トレンドを発信したいと考えています。台湾と日本を皮切りに、ゆくゆくはアジア各地での展開を視野に入れています。
もう一つのコンセプトは“Challenge everything”。国が違えば文化も違います。けれど美容を通して“感じる”ものは同じだったりするんです。各国でトップリーダーとして活躍する一流美容師の挑戦する姿から、それぞれの魅力や新しいトレンドを心と体で感じ、共有してほしいという願いを込めました。
−ステージを作る上でこだわった点は?
ヘアショーならではのライブ感を体感してもらえるよう、空間作りにはこだわりました。
まず、スタンド席をメインに会場をセッティング。日本では専門学校時代にクラブを借りてヘアショーしたりしますよね。あのステージとの距離感や音楽、ワイワイと観客が自由に絡み合う雰囲気ってすごくいいなと思ったからです。
手先の動きやモデルの表情などが読み取れ、若者に人気の会場を選びました。