“お客さまを大事にしない業界に、未来はない。” カカクコム創業者でALBUMのオーナーの槙野光昭さんに 「ALBUMのこれまでとこれから」を聞いてみた!
本気で業界をよくしたいなら目標数値立てて、PDCAをぐるぐる回そう
−メーカーやIT業界も知っている槙野さんの目から見て、今の美容業界はどんなふうに映っていますか?
僕は自分の髪をALBUMで切らないんですよ。人気店からリーズナブル価格のところまで、お客さんとしてサロンを見るチャンスだと思っているので。シャンプーしているときにエアコンの通気口のホコリをみて、掃除が行き届いていないなぁと感じたり、スタッフの同士のやりとりを見て、このサロンは統制がとれていないなぁと思ったり。
ホットペッパーやInstagramも、めちゃくちゃ見ています。誰がどんな情報をUPしたらフォロワーが何人増えた、とかね。多分、この6年間で僕ほど、美容業界の情報をインプットした人はいないんじゃないかなと思うくらいです。
じゃあどういう目線でインプットしていたかというと、やっぱりヘアサロンを経営してどうやって成功させるかという目線ですね。僕はめちゃくちゃおしゃべりなんですけど、それを裏付けするだけのインプットがあるってことです。とにかく仮説をたくさん立てて、いろんな人とお会いして、その仮説を検証しています。PDCAを回しているんです。
その上で、美容業界には問題はたくさんあると感じています。みんなで美容業界を盛り上げよう、よくしようっていう話を耳にしますけど、美容師の年収は300万円を切っているじゃないですか。例えば、これを400万を超えるようにするためにはどうすればいいのか?とか、盛り上げる、よくすると掛け声だけでなく、具体的な数値、目標は何?と突き詰めて真剣に議論をしていきましょう!・・・ってなればすごく変わるんじゃないでしょうかね。
業界よりも、まずは目の前のお客さまのことを考えている
どうして美容師が豊かにならないかというと、売上をオーナーが搾取しすぎているからだと思います。サロンの売上を取りすぎなんです。利益分配をどうするのか? 真剣に考える必要があると思います。
また、そこで働く美容師もウチのサロンの利益はどのように使われているのか? もっと興味を持つべきです。オーナーを監視するわけではないですが…真剣に数字を意識したほうが良い。「私たちの売り上げた、大事な大事なお金は、どう使われているの???」と、美容学生のうちから経営面にも関心を高めることも、サロンの本質を見抜く上でもすごく大切だと感じます。
ALBUMが取り組んでいるのは、お客さまに最大の満足を与えるためにどうしたらいいか考えて、それを実行することです。高い技術を手ごろな価格で提供したら、お客さまに喜ばれますよね。それを実現するためには、優秀な美容師がたくさんウチにいなければならない。だからALBUMの美容師の待遇はどこよりもよくすればそれが実現する。業界ということよりも今はお客さまに満足していただくことで頭がいっぱいです。
ですが、結果としてALBUMの取り組みが成功に繋がり、それが成功モデルとなって間接的に業界を変化させることができれば、それはそれでうれしいですね。