30歳美容師が語る「20代でやっておいてよかったこと、30代に向けて準備すること」【後編】

20代で迎えた、美容師人生を変えた「ギアチェン」!

 

 

寺村:後編は、30代への備えというか、20代を振り返りながら30代を意識してこんなことをやっているっていうのをテーマに聞いていきたいんだけど、どう? 森越くんは、やっぱりデビュー初月の売上で伝説を作ったってことじゃない?

 

森越:その話題はよく出るけど、俺は本当に美容師としてのやる気スイッチが入るのがすごく遅かったタイプで。中学校まで勉強はめっちゃできたんだけど、良い高校に入るのが目的だったから、入学したら全然やる気がなくなっちゃって。2年に進級することなく中退しちゃったの。北海道だったから、それから漁業を始めて半年間イカ漁やってた

 

 

一同:どよめき!

 

森越:そのあと函館で美容師になって、夢は大きく「カリスマ」だったんだけど、まあ何もしない(笑)。練習もしないし遊び回る日々を2年間くらい過ごしたね。でも、「カリスマになりたい」って思いだけは持っていたから、上京しようと決めたの。東京は怖いからまずは横浜だったんだけど。

 

 

一同:爆笑

 

森越:横浜で一旗あげようと思ったんだけど、また同じように何もしなくて。「森越といえばサボる」みたいな感じで4年間。スタイリストになったんだけど売上も30万円くらいだったかな。

22歳のときにいよいよ「このままじゃカリスマになれない」と思ってGARDENに入って、急に方向転換したの。

日本一って言われているGARDENで1位を取ったら日本で1位になれるんじゃないかって思ったから飛び込みで面接に行ったんだけど、なんと定休日だった(笑)。

何が言いたいかというと、ギアチェンは大事だということ。

 

寺村:(大木)光は、僕と同じ系列店だったから、アシスタント時代から先輩づてに噂をよく聞いていて。その噂っていうのが、「なんでなんでマンがいる」っていう(笑)。

 

なんでなんでマンの大木さん

 

小西:そうそう! 先輩に言われたことに対して、「なんでですか?」って毎度のように聞くの! 先輩もそんな細かいことと分からないよってことまで突っ込む! なんでもかんでも「なんでですか?」って聞いてくるから、それに答えるのが面倒くさいことも(笑)。

 

でも、俺は「すげぇ奴がいるなー」って思って。ほとんどの人は先輩に言われたら「そうなんだ」って何も考えずに納得しちゃうけど、それに対して全部なんでですかって疑問を持って、問いかけられるのは、自分の頭で考えてるってことじゃん?

 

 

大木:今でも、カットで信頼している先輩がいて、居酒屋にウィッグ持っていって聞いたりしている

 

一同:爆笑

 

小西:それ、ほかのお客さんはドン引きだと思うよ!(笑)。

光はイケメンだし、美容学生のころから雑誌とかも出てたけど、アシスタントのときにモデハンしていると、必ず光もいるの。

 

大木:モデハンは本当に誰よりもやっていたね。他の美容師より早く行って遅く帰ることをマイルールにしてたくらいやってた。休みの日はほぼ1日中モデハン。それで新規のお客さんが毎月50人くらいいたんだけど、ちょうど半年ぐらい経ったときに、てらむー(寺村)とご飯に行って、そのときにSNSの話をされたの。「モデハンもいいけど、これからはSNSやった方がいい」って言われて、モデハンをピタリと止めたんですよ。俺のギアチェンはそこかな。

 

 

毎日やっていたのをゼロにしたから、新規はゼロになっちゃうし、半年間売上はめちゃくちゃ落ちたんだけど、SNSだけは毎日やっていたの。本当は1か月で結果を出したかったんだけど、半年くらい経ってTwitterでやっと結果が出たあとにインスタに移行して、インスタをずっとやってたら今の形になったっていう。だからてらむーにはほんと感謝しかないですね

 

小西:俺はSNSが結構苦手で……。その代わり、ひたすら飲みに行ってた。友達に誘われた飲み会は全部行くし、それで新しい友達を作ってお客さんになってもらうっていうのを繰り返してた。終電で横浜まで飲みに行って、朝まで飲んでそれから出勤するみたいなこともあったなあ。地道なやり方だけど、リアルなコミュニケーションというか、関係性が深いお客さんが来てくれるから絶対離れないんだよね。ドカンと売上が上がるわけではないけど、ずっと右肩上がりで伸びてたよ。

 

 

小屋:俺は、みんなと一番違うのはあんまり負けず嫌いじゃないっていうところかな。最初に働いていた店がアナログな考えを持ったサロンで、SNSは別にやってもいいけど、それで認められるっていうことはなかったの。売上を上げるためにはハントに行かなきゃいけないけど、アシスタントは薬剤の発注とか店の業務も細々とあるから、とにかく時間がない。

 

 

「俺を自由にしてくれよ…!」っていう感じに思っていたんだけど、一度別店舗の某大物美容師さんと飲む約束をしていたときに言われた事があって。僕が仕事で遅れて行ったら、「社畜だね」と…。それがなぜか響いたんだよね。「自分がやりたいことやんなきゃダメだ」と思って、店からは推奨されていなかった今のWaysのメンバーとの撮影とか、雑誌の仕事とかやってた。それを続けていったら、もう自分でやっていける道筋がついた。

 

だから、あんまり周りのこと気にせず自由気ままって感じ。そうすると、常に楽しく仕事できるし変なストレスがないから、楽しく美容師をずっと続けていられています。

 

>30代の課題は後輩育成、美容師になりたいと思える環境作りも

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