特集「海と美容室」-3rd STORY 南房総・TIG HAIR STUDIO  -海辺の美容室の物語-

 

[写真]太平洋を一望できる、店舗併設のウッドデッキ。

[写真] 太平洋を一望できる、店舗併設のウッドデッキ。

 

「オーシャンフロントっていうのに、ずっと憧れていたんです。川崎時代はサロンの目の前がパチンコ店で、いつもそれに不満を感じていました。今は朝起きたら、目の前に海が広がっていて、お客様にもカットをしながらオーシャンビューを楽しんでいただいてます」

 

TIG HAIR STUDIOを始めてからの石田さんの生活はもちろんサーフィンが中心。平日は朝起きて、サーフィンをしてからお店を開店。休日は朝起きて、サーフィンをしてから、家族との時間を楽しんでいるそうです。そんなサーフィン中心の生活にもかかわらず、仕事も家族との時間も確保できているのは、海辺に自宅と店舗があるからこそ。

 

 

[写真]休日に良く家族で出かけるという館山の北条海岸。自宅近くの海岸以外にも、おすすめの海岸が数多くあるのだとか。

[写真] 休日に良く家族で出かけるという館山の北条海岸。自宅近くの海岸以外にも、おすすめの海岸が数多くあるのだとか。


「良い波が来るから」という理由で決めたいう立地ですが、川崎時代のお客さんがいまだに通ってくれているほか、これまで近くに都会的なスタイリングのできる美容室がなかったため、鴨川や館山などから車で訪れるお客さんもいるのだとか。それもこれも、石田さん自身が自分のスタイルを貫いているからこそ、それに共感してくれる人が集まるのだと言います。

 

[写真]TIG HAIR STUDIO店内写真

[写真] TIG HAIR STUDIO店内写真

 

「もともと美容師っぽくない美容師に憧れがあったんです。専門学校を卒業したときにドレッドや編み込みばかりする原宿のサロンに入りたいと思っていたこともありました。ベーシックなカット技術を身に付けないといけないということで思いとどまったんですが(笑)。人と違うオリジナリティやスタイルは大切だなと思いますね。美容だけにまじめすぎるのも良くないんじゃないかなと。サーフィンの波待ちでぷかぷか浮いているときに、新しい発想が湧いてくることも多いんですよ」

 

自分の好きな生き方をする。そのスタイルに共感する周りの人がいて、さらに自分らしく生きられるようになる。そんな好循環を生みだすことができる人は、きっと周りを巻き込んでしまう魅力に溢れている人なのでしょう。石田さんが海とサーフィンについて楽しそうに話すのを聞きながら、そんなことを思いました。

 

プロフィール
TIG HAIR STUDIO/オーナー
石田 隆(いしだ たかし)

1976年生まれ。代々木の山野美容専門学校を卒業後、SO HAGIWARAに入社。アシスタントを経てサスーンカットを学び、2006年川崎にhair studio xaymacaをオープン。現在、サーフィンと自然をこよなく愛し、アートを追求するため南房総市に移住し、TIG HAIR STUDIOを始める。

 (取材・文/QJナビ編集部)

  『海と美容室』他の記事を見る

 1st STORY 川畑タケル-なぜ川畑タケルは七里ヶ浜を拠点に選んだのか?-

 2nd STORY 「島の美容室」を巡る、美容師の幸福論

    1 2

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング