歌姫の髪型に歴史あり。テイラー・スウィフトのヘアスタイルで紐解く自己プロデュースのハウツー

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  2016年『ヴァニティ・フェア』誌主催のアカデミー賞アフターパーティにて

 

世界で最も人気のある歌姫の一人、テイラー・スウィフト。彼女は自分のヘアスタイルやメイク、ファッションを変えることでイメージを刷新する自己プロディース能力の高いシンガーとしても知られています。

 

デビューから現在までのテイラー・スウィフトのヘアスタイルの歴史を振り返り、彼女がどうイメージを作り変えてきたのかを探ります。

 


 

〈テイラー・スウィフト プロフィール〉

 

1989年12月13日生まれ。2006年1stアルバム『Taylor Swift』を発表。2008年に発売した2ndアルバム『Fearless』に収録された『Love Story』のヒットにより、全米に名前が知られることに。4thアルバム『Red』まではカントリー路線だったものの、5 thアルバム『1989』からはポップミュージックに音楽ジャンルを変える。これまでグラミー賞を7度受賞。また、グラミー賞で最も栄誉のある「年間最優秀アルバム賞」を最年少で受賞。CDの総売上枚数は4000万枚以上、楽曲ダウンロード数は1億3000万を超えている。

 

 

垢抜けていない? 素朴な女の子のイメージだった初期

 

①2006年デビュー前

 

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 「2006 CMT ミュージック・アワーズ」にて

 

カントリー歌手(※)としてデビューする前のテイラー・スウィフト。デビュー前から“天才シンガー”としての評判を得ていた彼女は、天然パーマを活かしたヘアスタイルをしていました。ワンレングスで流した髪はまとまりがなく、ボサボサ感があるのが残念。日焼けした肌ともっさりヘアの彼女からは、今のようなファッションニスタの面影は垣間みられません。けれどカントリー歌手としてデビューしていたため、田舎から出てきたばかりの女の子のような雰囲気はイメージ戦略としては正解と言えます。

 

※アメリカの人気音楽ジャンルのひとつ。保守的で田舎の人が聞く音楽というイメージを持たれることが多い。

 

 

デビューしてから劇的にチェンジ! 優等生なカントリー歌手

 

②2007年〜2009

 

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 2008 年当時

 

デビュー当時のボサボサのヘアスタイルはいづこへ? デビュー後のテイラー・スウィフトは、ボリューミーな髪を抑え、髪をゴージャスに巻き、洗練された女性へと変貌。カントリー歌手のイメージ=(保守的、古き良きアメリカ、素朴)を保つため、髪をしとやかに下ろし“優等生”のような雰囲気を醸し出しています。同時にティーンの共感を得られるようカワイイ女の子の要素を残しているところにイメージ戦略の上手さが感じられます。デビュー当時から綿密にキャリアプランを練っていたことが伺われます。

 

 

ストレートヘアにして大人の女性へとイメージチェンジ

 

③2010年から2013

 

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 「2011 アメリカン・ミュージック・アワーズ」にて

 

2010年あたりからさまざまなスタイルを見せることで、ファッション・アイコンとしての地位を確立しました。2011年からはパーマをやめて、髪型をストレートヘアに。そうすることで“女の子”から“大人の女性”へとイメージチェンジを図りました。同時に彼女は、キャリアの転換を行ないます。2012年に発売された『Red』はこれまでのカントリーっぽさを薄め、どちらかというとポップスに近いアルバムとして作り上げられ、ビッグセールスを記録。キャリアとイメージの変革を同時に行なうことで、音楽的にも成功をおさめました。

 

 

ロングからミディアムへ大胆な変身を遂げる

 

④2014年から2015

 

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 「2014 ティーン・チョイス・アワーズ」にて

 

2014年2月11日。ロンドンでコンサートを終えたテイラー・スウィフトはロングヘアをばっさりとカットし、ミディアムヘアへ。この劇的な変化を世界中のマスコミが報道し、話題に。そしてこの8か月後に、アルバム『1989』を発表。このアルバムは、はっきりポップ路線へとシフトチェンジした記念すべき作品。アルバムの収録曲『Shake It Off』では歌って踊って、髪を軽く揺らしたアクティブな彼女が見られました。この時期は髪型とキャリアの変化が顕著でした。

 

 

すっきりボブにして強い女性像を打ち出した

 

⑤2016年から現在

 

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 「第58回グラミー賞」にて

 

2016年の2月15日に開催された「第58回グラミー賞」でボブスタイルを初お披露目し、そのニュー・スタイルはまたも世界中でニュースに。その9か月前には『Bad Blood』のPVで、強い女性というイメージを打ち出したテイラー・スウィフト。その女性像に合わせるかのように髪型をチェンジ。ストレートのボブにし、前髪をパッツン。前髪を作ることで目力を協調。この髪型から、強く独立した女性のイメージが感じられますよね。20代後半に入り、“カワイイ”から完全に卒業。強さを秘めた女性像を発信し始めたのです。

 

 

ヘアスタイルによって自己プロデュースすることの重要性

 

デビューしてからこの10年。テイラー・スウィフトは多種多様なヘアスタイルを披露し、同時に時代に合わせてキャリアを変化させてきました。彼女は常々、きちんとキャリア戦略を立てること、自己認識を持つことの大切さを語っています。現代のエンタテイメントビジネスの世界において、テイラーほど自己プロデュース能力に長けたシンガーはいません。自己プロデュースすることは、美容師にとっても大切。テイラーの思い切った選択を通じて、自分自身のキャリアとヘアスタイル、そしてお客さまに提案してきたヘアスタイルを振り返ってみてはいかがでしょうか?

 

(文/QJナビ編集部  写真提供/Getty Images)

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