これは新しいサロン経営の形? 自転車屋さんと共同経営を実現したTAS BEAUTYに迫る

金銭的にも集客的にもメリットがある。そして僕の家族にもありました。

 

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—廣山さんは以前、東京で働かれた経験があるそうですが、なぜお店を茨城県のつくば市に建てようと思ったのですか?

出身が茨城なので、もともと東京で5年間勉強をしたら地元に帰る予定でした。とはいえ二十歳の頃は茨城って何もないところだな、と思っていたのですが(笑)でも戻ってみたら空気はおいしいし、自然を体感できる環境だと気づいたんです。美容の仕事は四季を反映させることも大切なのですが、茨城にいると季節を感じられる。そう思っていたときに自転車とも出会ったんです。東京のサイクリング人口は多いかもしれませんが、自転車で遊べるスペースは少ない。でもつくば市にはある。

 

—なるほど。ちなみにTAS PARKという店名にはどんな思いを込めたのですか?

 

“繋がり”のT、“あそぶ”のA、新しい出会いを求める“新規開拓”のS。それぞれの頭文字を組み合わせ、人がどんどん集まって出会いや繋がりを作っていける場所(PARK=パーク)になってほしいという思いを込めて、TAS PARKと名付けました。

 

—自転車屋さんと一緒にお店経営をしていくことでどんなメリットがありましたか?

 

主に2つあります。まず、2つのお店が1つの土地を共有しているので半分の金額で運営できるという金銭的なメリットがあります。それが1つ目。あとはお客さまを発掘できるというメリットがあります。美容室は予約してからいく場所ですよね。一方、自転車屋さんは予約なしで誰でも気軽に入れる。美容室のお客さんは、事前にネットで調べて、それから来店する場合が多いです。つまりお店を知ってもらわないと来店してもらえない。でもうちの場合、フラっと入ることのできる自転車屋さんがあるおかげで、TAS BEAUTYというお店のことを知ってもらえるんです。

 

—廣山さん自身にはどんなメリットがありましたか?

 

僕自身というよりは僕の家族にとってメリットがありました。僕には子どもが二人いるのですが、まだ小さいこともありよくお店に連れてきます。お店にはたくさんのお客さまがいるので、いろんな人から面倒をみてもらえる。子どもたちもいろんな方に出会えるので、多種多様な価値観と触れ合える。そういう環境のなかで成長してもらえるのが大きなメリットですね。

 

—これからお店をどう展開していこうと思っていますか?

 

二十歳のころに夢見ていたお店の形をいま作ることができましたが。でもまだ完成はしていない。これからもTAS PARKにやってくるお客さまやスタッフと一緒に、なんでもいいので何かを作り続けていきたい。その場所としてTAS PARKが機能していってほしいと思っています。そして人との出会いを大切に育んでいきたいです。

 

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プロフィール
TAS BEAUTY
代表/廣山晃(ひらやま あきら)
茨城県出身。専門学校を卒業し、東京で理容師として勤務。その後、美容師免許を取得し、茨城県水戸市のサロンで活躍。2013年にTAS CYCLE代表の福田氏とともにTAS PARKを茨城県のつくば市にオープン。地元民に愛されるお店として知られている。

(取材・文/QJナビ編集部  写真提供/TAS BEAUTY)

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