SURF×TRIP×HAIR CUT!! 湘南生まれの波乗り美容師-軽部京介-による「終わらない夏」
サーフボードとシザーを持って世界中の波に乗る
Tyler Warren(タイラー・ウォーレン)の原画やビンテージのサーフボード、有名サーファーのサイン…「hair california」の中を見渡すだけで、彼のサーフィン生活の濃度が伝わってくる。一本の映画が湘南で暮らす彼の人生を変えたのだそうだ。
「1965年のサーフィン映画で『Endless Summer』というものがあります。2人のアメリカ人の青年が、それぞれ1枚のサーフボードを持って、世界を波乗りして回るストーリー。これに感動したんですよね。それを自分に置き換えたとき何ができるか考えて、サーフボードとシザーを持って世界中の波に乗りたいって思ったんです。人を喜ばせながら世界の波に乗れるなんて最高じゃないですか」。
世界中の波に乗るというのは、波乗りにとっては定番の夢といってもいい。だが、仕事が忙しい、家族ができたなどの理由で、いつか消えていくのが普通かもしれない。軽部さんは普通じゃなかった。
「友人のビデオグラファーにそのことを話したら『8mmを回して短編映画を作ろう』って話になったんです。で、カリフォルニアでキャンピングカーを借りて、2週間ヘアカット、サーフィンの撮影をしました。
ただ回るだけでは面白くないから、ルールを決めたんですよ。ホテルには泊まらないことと、僕がへアカットをする代わりにサーフボードを貸してもらい一緒にサーフィンすること。
これを条件に何人かにアポを取ったんですが、サーファーは自由人が多いのでなかなかうまくいかなくて…(苦笑)。ドタバタした旅になりました。
でもその作品が『Cutback to California』。アメリカのメディア関係者の目に留まり、さらにブラジルのサーフィン映画祭から声がかかり、ベストアイディア賞をもらうことになったんです」。