まさかの感動サプライズも!スタイリストデビュー&ファーストカットであの人に恩返し【後編】
丁寧なシャンプーを終え、いよいよカットへ。
鈴木さん(以下鈴木):「こうして家族を施術すると、くせの出方や髪の毛の柔らかさなど、似ているところに気づきます。どうスタイリングしたらボリュームが出て、シルエットがよくなるのか、家族は全員わかりやすい。DNAを感じますね(笑)」
「小さかったあの子にこんな一等地の素晴らしい店で切ってもらえるなんてね…」と横で見守るお父さまが感慨深げにつぶやくと、「ちょっとやめて、泣いちゃうから」と思わずお母さまの目にも涙が。
お父さま:「生まれてすぐのころは本当に泣き虫で人見知りで、団体行動が難しい子なのかなと悩んでいた時期もあったんですよ。でも、保育園での集団生活を通して『自分で好きなものを選ぶ』『何かに集中して取り組む』ということができるようになって、次第に自分でやりたいことがはっきり決められる子になってきたんです」
そんな鈴木さんが美容の道を選んだのは15歳のとき。小学生のときからスポーツに夢中になり、中学では陸上部に所属して真っ黒に日焼けをしていたことから、両親はまさか美容の道に進むとは思っていなかったのだそう。
お父さま:「高校進学を控えて通常の高校の見学に行ったのですが、どこも気乗りがしなさそうだったんです。そんななか、突然『ヘアメイクさんになりたい』と言い出したのですが、そのときたまたま家にあった雑誌の裏面に『バンタンデザイン研究所高等部』の知らせがあったんです。そこでバンタンを紹介したら、『どうしてもここに行きたい』と言うようになりました」
鈴木:「美容の世界は華やかで、当時は『みんなにとっての憧れの人になりたい』という気持ちが強かったかもしれないですね。人と違うことをしたいと思っていました」
お母さま:「新しくできる学校で不安でしたし、親は一時の気の迷いじゃないかとびっくりしましたよ(笑)」
お母さま:「ただ、それでも彼女の選択を後押しできたのは、本人が選んだ道だったらきっと誰のせいにもせず、自分の責任で進んでいくだろうと思ったからなんですよね。だから最終的には娘を信じたんです」
お父さま:「子ども自身が『やりたい』と思うことは、何を選んだとしても全力で応援していこうと家内と話していました。だからスタイリスト合格の連絡を受けたときは本当にうれしくて。小さいころのことも覚えていますし、彼女なりに苦労していたアシスタント時代もあったと思うので、よくやめないで頑張ったなと思いました」
お母さま:「『ママ受かった!』と聞いたときは2人で大泣きしました(笑)。『よかったね、おめでとう』と。ホッとしましたね」
その後も家族団欒の和やかなムードで施術は続き…
ついにヘアスタイルが完成!
お母さまのうれしそうな表情が施術の結果を物語っています。
美容の道を志した当初はヘアメイクを目指していた鈴木さん。さらに仕上げのメイクを施し…
施術完了!