MINX史上「初」を達成!? スタイリストデビュー&ファーストカットであの人に恩返し!【前編】
審査員に聞いた合否のポイント!
最後に今回のスタイリストチェックでメイン審査員を務めた菅野久幸さんと、武田智幸さん(銀座店トップデザイナー・取締役)に、審査で合否を分けたポイントについて伺いました。
-今回の試験の合格基準について教えてください
『明日からでも新規のお客さまに入れる状態であるか』が合格の基準でした。それを判断する要素として重視したのは、最終的にお客さまに似合わせることができているか、カット中のお客さまとの距離感や所作など安心感を与えられる仕事の進め方をしているかという点です」(菅野さん)
「大抵の人は準備や練習してきたものをそのまま再現しようと考えますが、モデルさんにそれを似合わせていくなかで、「重いかな」「長いかな」と状況を判断しながら修正をしていけるか。ここも大きなポイントではありましたね」(武田さん)
-鈴木さんと他の受験者との合否の差を分けた点について教えてください
「ショートは骨格など素材の特徴が強調されやすいスタイルですが、合格した鈴木さんはモデルさんの骨格を理解した上で自分の作りたいデザインを落とし込めていたから、自分の作りたいイメージをしっかりとモデルさんに合わせて作ることができていたし、やっぱりモデルさんに似合っていました。
逆にほかの受験者は、自分の作りたいデザインをモデルさんに落とし込まなきゃいけないところを、素材よりも自分が作りたいデザインを優先していたように思います」(菅野さん)
「鈴木さんのできあがりと比べると、ほかの受験者のスタイルは単純に仕上がりが物足りなかったと感じましたね」(武田さん)
-合格した鈴木さんへメッセージをお願いします
「MINXというステージの中で彼女が自分らしさを打ち出して輝けると言うのが一番だと思うので、そのために自分らしさを追求し、それを武器にステップアップしていって欲しいと思います」(菅野さん)
「彼女は18歳でMINXに入社して、21歳でスタイリストになるわけで、成長スピードが非常に早いですよね。今後はいろいろなお客さまを担当するなかで、シザーリングのスピードや大きなカットスタイル、堂々とした姿勢を心がけて、職人として大きな仕事ができるようになって欲しいですね。また、お客さまとのコミュニュケーションも非常に大事なので、カウンセリングでお客さまとの共通認識を持てるよう努力すれば、もっと成長できると思っています」(武田さん)
見事スタイリストデビューを果たした鈴木杏奈さん。後編となる「サンキューカット(ファーストカット編)」では、「感謝の気持ちを伝えたい」と話していたお母さまに実際にファーストカットを行う様子に密着します!お楽しみに!
(取材/文・阿部夕華〈ヒャクマンボルト〉 撮影/菊池麻美)