「3%のお客さまに向けて経営しています」SEVEN STARS hair design NAKANO BASE安部信吾さん
東京は高円寺。中央線が通る高架下にひっそりと佇むのがSEVEN STARS hair design NAKANO BASE。
店内には映画や音楽、ファッションに現代アートに関する写真やインテリアが所狭しと飾られ、まるで寺山修司のような世界が広がっています。
異空間を訪れたような気分にさせてくれるこの世界観を知りたい! そこでオーナーの安部信吾(あべ しんご)さんを訪ねました。
高校を中退して家出。そして口から出まかせで美容師になると宣言
-安部さんが美容師を志した理由は何ですか?
口からのでまかせで美容師になったんです。僕、高校2年生のときに学校を中退して家出。そして年齢をごまかして友達と二人でアパートを借りて過ごしていたんですけど、そんなことをしていたら、親が心配しますよね。それで将来の計画を伝えないといけなくなって、そのとき美容師という職業がなんとなく思い浮かんだんです。親に美容師になるとテキトーな感じで伝えたものの、宣言したからには美容師にならないといけない。それで1年間バイトをして学費を稼いで、専門学校へ通いました。
-それからのキャリアは?
吉祥寺にある個人経営の美容室でアシスタントとして働きはじめました。僕は東京の中央線沿いで育ったので、働く場所も中央線と決めていました。なぜそのお店で働こうと思ったかというと、オーナーがとてつもなくかっこよかったから。白シャツにスーツというクラシックなスタイルで働いていて、古きよきハリウッドスターのような出で立ち。その姿は強烈でした。そこで3年間、アシスタントをしていました。
次第に有名店で働きたいと思いはじめ、SHIMA出身の方が独立して建てたお店でスタイリストとして働きはじめました。でも3年くらい経ったら、次は忙しいお店で働きたいと思い始めて。飽き性なんですよ、僕。格安カットがブームだった当時、EARTHも格安カットのお店を運営していたんです。高円寺にある店舗にはいつも行列ができていて、その光景を見たときに就職を決めました。5年半くらい働きましたね。とにかく忙しかったです。そのお店で店長にまでなったんですが、オーナーではないので自分のやりたい事がなかなか実現できなくって……。自由になりたいと思い、7年前に阿佐ヶ谷に自分のお店を作りました。独立したんです。その2年後に、高円寺にSEVEN STARS hair design NAKANO BASEを作りました。阿佐ヶ谷店は去年の8月にオープン時から働いていたスタイリストたちに譲渡して、今は高円寺店だけに専念しています。