初の経営難を経験して。真面目に仕事と向き合えば、どんな困難でも乗り越えていける-10年サロン「FAVORITE GARDEN」のブランディングストーリー後編
未来 新たな試練期
店長2人の独立で再び危機に。でも、真面目にコツコツやればきっと大丈夫
現在は米子店も並木店も好調ですが、実は2020年の春、両店の店長が独立することが決まっているんです。2014年に店長の独立で売上が落ちたことを考えると、厳しい戦いになるだろうなと今から心配しています。
一方で、真面目にコツコツやっていけば、今回も大丈夫だと信じています。並木店をオープンして思ったのは、運転資金を確保していて、真面目にやっていれば、どんな局面でも何とかなるということ。不安はありますが、やるべきことをきちんとやっていけば、結果はついてくると思います。
今後は今まで通り真面目に働きつつも、一人一人がプロフェッショナルであれるようなサロンを目指したいですね。そのためにも、現在は月に一回、外部から講師を呼んで技術講習をしているんです。これまでは僕がセミナーで習ったことを持ち帰ってスタッフに教えるようにしていましたが、講師として活動している教えるプロに頼ったほうがずっと効率がいいことに気づき、今年から外部講師を招くことにしました。
「何百回も切って、とにかく練習!」というやり方が通用したのは昔のこと。地方で楽しく働きたい子たちをきちんとプロにしていくためには、教え方も工夫していかなくてはいけないと感じています。地方に限らず、今の若い子と接するときに意識しなくてはいけないことかもしれませんね。
地道に頑張る人がきちんと評価される業界を目指して
僕は昔から、おじいちゃんになっても若者から「あの格好いい人に髪を切ってもらいたい!」と思ってもらえる美容師になるのが夢なんです。そうなれるように、これからも目の前の仕事に向き合い続けていこうと思います。
オーナーとして15年間のサロン経営を振り返ってみて、今後は時代に遅れないようにしっかりついていきながら、嘘をつかないで本質的なことを求めていきたいと改めて思いました。そして、『FAVORITE GARDEN』の経営やセミナーを通じて、真面目にコツコツやっていく人を増やしていきたい。やり方がうまいだけの人が勝つのではなく、地道な人が評価される業界にしたいんです。僕自身が、そのメッセージを伝えていける人でありたいですね。
地方でサロンを経営するのは、都心部で経営するのとは違った厳しさがあると思います。華やかに活躍している東京のサロンを見て、悔しい思いをすることもあります。でも、自分が作っているものが日本一だと思えないと、お客さまにも失礼になってしまいます。日本一のものを提供するためにも、日々本気で仕事と向き合わなくてはいけませんね。
真面目にコツコツ頑張ること、そしてある程度の運転資金は確保しておくこと。この二つを意識すれば、きっとどんな場所でもサロンを経営していけると思っています。
- プロフィール
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FAVORITE GARDEN
オーナー/齋藤隆志(さいとう たかし)
2004年鳥取県米子市にFAVORITE GARDEN、2017年9月に広島に2店舗目となるFAVORITE GARDEN並木店をオープン。美容師の最高峰JHAにて各種部門にてノミネート、受賞多数。現在はサロンワークを中心に、一般誌や業界誌の撮影、美容師へのセミナー等で活躍している。
(取材・文/小沼理 撮影/杉田梨菜)