コンテスト連続制覇で、世間に伝えた実力と存在感。10年サロン「bianca」のブランディングストーリー後編

2018年〜現在 クリエイティブ充実期

クリエーションへの挑戦のしやすさは、お客さまとの信頼関係が鍵

 

 

受賞後は、望んでいた撮影やセミナーなどの仕事のオファーが続々と舞い込んできました。まるで、M-1優勝芸人のような忙しさです(笑)。鎌倉という立地の距離感も、依頼しやすかったのだと思います。東京からそんなに“遠方”ではなく、比較的すぐ行けるじゃないですか。

 

それまで想像していなかった海外での仕事もたくさん増えました。メーカーの製品発表イベントや技術セミナー、現地のコンテスト審査員などです。

 

さらに、海外から大勢で来日し、何日も連続で『bianca』の研修を受ける団体もあります。そういった方々には、ディプロマ(修了証書)をお店で飾れるようお渡ししています。『bianca』のスタッフは、こういった海外に行く仕事にも、海外からくる研修にも柔軟に対応できるようにしているんです。

 

海外での仕事の様子

 

外部のお仕事がこなせるのは、お客さまとの信頼関係が築けていることが大きいです。「この時期こういう仕事でご予約が取りづらいんです」とお伝えすると、お客さまのほうが調整してくれたりします。さらに、「帰ってきたら話を聞かせてね!」とむしろ応援してくれたり、周りの人に自分のことのように自慢してくれたりもするんですよ。このお客さまとの関係性のおかげで、スタッフはもっとがんばれる。とても素敵な関係が作れていると思います。

 

最近は地域コミュニティに参加することは少なくなりましたが、当初の「コミュニティに入る」「信頼関係を作る」という感覚はサロンに残っています。それがお客さまとのコミュニケーションにも生かされて、応援してもらえるような関係が築けているのではないでしょうか。

 

限られた時間で最大のパフォーマンス。オペレーションもクリエイティブに

 

 

このころからサロンを完全週休二日にし、一日の営業時間も9:30〜17:30の8時間にしています。これ、けっこうハードルが高いんですよ。限られた営業時間で最大限の売上を目指さなければなりませんから。結果としてスタッフ間のオペレーションは無駄がなくなり、進化しましたね。

 

オペレーションも一つのクリエイティブなんだと捉えて、工夫し続けるようにしたんです。何時にどのお客さまがご来店し、どのメニューを希望しているかなど、予定に対して先回りして準備や判断する癖がついていることは、サービス業では必須です。こういった当たり前なこと自体が、サービスの最大化・最適化を生み出していくのだと確信しています。

 

働き方の変革だけでなく、福利厚生も少しずつ充実させています。社会保険は当たり前、さらに生命保険や退職金共済などへの加入、人間ドックの受診も行っています。直近ではiDeCoなどの案内もはじめる予定です。まずはこのような福利厚生を最低限、一般企業と同じレベルまで整える。それができてから次のステージに進むことが、適切な順序だと僕は思っています。

 

『bianca』では規模よりも、環境を整えることを優先してきました。サロンワークも充実して、美容師としてのクリエイティブを追求できる。そういう環境が理想ですね。

 

>未来の美容を作る人を輩出したい

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