努力なくして120%の力は出せない。17年前から変わらない「おもしろい」ことへの探究心―10年サロン「ABBEY」のブランディングストーリー後編
未来 チャレンジ積み重ね期
チャンスで力を出し切るための、準備運動を欠かさない
『BAPE CUTS』から数えると17年間サロンを経営していますが、日々サロンが成長しているのを感じます。成長を感じる瞬間が一番うれしいですね。『Rakuten Hair Salon ABBEY』のように大きなプロジェクトが決定したときもそうですし、アシスタントの子が一つのカリキュラムに合格して次のステップに進めるときもそう。会社全体のことでも、スタッフ一人ひとりのことでも、みんなと喜びを分かち合えるのがうれしいです。
ヘアサロンの本質は、センスと技術のあるスタッフが、いいヘアデザインをお客さまに提案して喜んでもらえる、それだけだと思います。その芯は、意外とオープン当初から変わっていません。ぶれないようにしながら、より多くの人に喜んでもらえるように、意味のある出店を重ねていきたいと思っています。
『W.L.T CUT CLUB』や『Rakuten Hair Salon ABBEY』とのコラボは、人の縁があってできたもの。縁を引き寄せて、きちんとキャッチするための準備運動は日々欠かせないと思っています。チャンスは突然めぐってくるので、そのときに120%の力を出し切れるか、60%の力しか出せずに次の機会を逃すかは、日ごろの努力にかかっているでしょう。
ブランドや企業とのコラボは、今後も機会があればやっていきたいです。『ABBEY』はいつも、おもしろいことを探しています。最近も『Wind and Sea』という話題のブランドとコラボして、スタッフのTシャツを作りました。僕たち自身も楽しめて、周りの人も「『ABBEY』っておもしろいな」と思ってくれるような、そんなチャレンジをやり続けたいですね。
- プロフィール
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ABBEY
オーナー/松永英樹(まつながひでき)
長崎県出身。1989年に「PEEK-A-BOO」に入社。最年少の28歳でアートディレクターに就任。その後、同サロン原宿店店長に就任し2002年に退社。その後、ファッションブランド「A BATHING APE」プロデューサーNIGO®︎氏と協業し原宿に「BAPE CUTS」をオープン。2007年には新たなブランドサロンとして表参道で「ABBEY」を立ち上げる。現在は、「ABBEY」「ABBEY2」「MEN’S SALON WLT CUT CLUB」「Rakuten Hair Salon ABBEY楽天ABBEY」を展開。
(取材・文/小沼理 撮影/河合信幸)