地震、台風、火災…何を備えればいい? 防災に取り組む4サロンに聞く「美容室の防災いろは」
9月1日は「防災の日」。前触れがなくやってくる地震や火災のほか、近年は毎年のように猛威を振るう台風や、長雨の影響による水害も発生しています。しかし、お客さまとスタッフの安全を守りたいと思いながら、何から取り組めばいいかわからないというサロンも多いのではないでしょうか。
そこで今回は防災に取り組む4つのサロンに、防災に取り組むようになったきっかけと取り組みの内容を伺いました。どんなサロンでもすぐに取り入れられる取り組みもあるので、ぜひ参考にしてくださいね。
<目次>
>「気持ちまで被災したくない」台風被災時も日頃の備えでお客さまの声に応えられた ――UMiTOS / 海と砂原美容室 シラトリユウキさん
>置きっぱなしにしていた物の片付け、「義務」ではなく「何のため?」を意識し改善 ――GARDEN Tokyo 川谷俊勝さん
>多店舗展開だからこそ、防災の重要性を伝えた上で対応は現場主導に ――ケンジグループ 秋元香奈子さん
>日頃のサロンワークのコミュニケーションの強さが、非常時への対応にもつながる ――Violet 倉田千秋さん
「気持ちまで被災したくない」台風被災時も日頃の備えでお客さまの声に応えられた ――UMiTOS / 海と砂原美容室 シラトリユウキさん
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防災に力を入れ始めた時期:2011年末(UMiTOS開業時)
想定している災害:地震、台風など
対策をはじめたきっかけ:
東日本大震災の体験
行っている取り組み:
マニュアルの作成、非常用袋の設置、保存水や発電機の常備、少ない水でのシャンプー法の習得、避難時の交通情報の把握 など
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きっかけ:東日本大震災でサロンと連絡が取れず…街の様子に防災の必要性を実感
東日本大震災のあった2011年3月11日は、砂原がヘアメイクの仕事で都内に来ていました。彼女はCM撮影をしているまさにそのときに被災したんです。
その日は電車が止まり、道路も交通規制などあって南房総に戻れなくなっただけでなく、電波障害も発生して店舗との連絡も取れませんでした。サロンの状況はわからず指示も出せない。表参道の街も混乱している。ちょうど南房総の「海と砂原美容室」の2店舗目となる「UMiTOS」のオープンを年末に予定していた時期だったので、「今後2店舗展開していく上でも、有事の際にみんなが動けるようにサロンとして防災に取り組まねば」と実感したそうです。
その後、大きな地震は起きていませんが、2019年には「海と砂原美容室」が台風の被害を受け、1週間の停電と断水にあいました。そのとき、やはり意識を持っていて備えてきたことが活きました。