元RITZから独立したカリスマ美容師大更章文さんがGratiiのオーナーになるまで【後編】
RITZ最終日に、スペシャルなお客さんが来てくれた!
2月28日は、いよいよ19年間お世話になったRITZとお別れの日。最後の最後に来てくれたお客さんは、なんと19年くらいお付き合いがある同い年で、同じ誕生日のお客さん。つまり全く同じ日に生まれている人なんだよね。なんだか不思議なめぐりあわせだなぁって感じた。
RITZのみなさんには本当に温かく送り出してもらった。実際のところ、美容師って円満退社が難しいと思う。うまくいくのは地方に戻るか、個人で独立するかくらい。僕の場合は、スタッフを引き抜かない、同じエリアに出店しないなど、RITZに対してしっかり筋を通したから、こうやってお店を出せることができたんだ。
集客は僕のブログやSNS、DMでの告知、あとはスタッフのお客さんとかその知り合いの紹介で行っている。
これまでお世話になったお客さんを大切にしたいし、サロンの提案する美に満足していただけるお客さまでないといけないと思ったから、これからもむやみに集客はしない。
Gratiiに共感してくださる方を一人ひとり大切にしていきたいんだ。
1日、1日進んではいるけれど…間に合うか不安だ!
いよいよ物件の引き渡しの日がやってきた。開店まであと1週間なのにまだほとんど何もない状態。内装業者さんも、時間がないから“デザインしながら作る”という感じだ。1日1日、着実に進んでいるんだけれど、「本当に間に合うのか?」という不安はある。
thank youの日であり、恩師の誕生日でもある3月9日からは電話予約を開始。予約のために声をかわすなかで、ようやくお客さんに感謝の気持ちを、言葉で伝えられるようになるという意味で、3月9日にこだわった。
いよいよ明日オープン…なのにあれもこれもない!
明日オープンなのに、足りないものだらけ。だから僕は朝から自転車で買い出し。
カルテを入れるトレーとか、ひざ掛けとか、ワゴンに物を乗せるときに使うカゴとか…
そういうものを僕が自ら買い集める。なぜアシスタントに任せないかというと、みんなに意見を聞くと答えがバラバラになっちゃうから。あとはやっぱり自分の家みたいにこだわりたくなってしまうんだよね(笑)。
ちなみに店内は、メーカーさんが何人も来て、レジとかそのほかの設備などのデモンストレーションをお願いしている状態。
同時並行でやっているから、話を聞いている人は、ほかのスタッフに教えられるようにならないといけない。 開店準備も急ピッチですすめていかないと間に合わないので、本当、戦争のような状態。みんな0時くらいまでバタバタと動き回っていた。そうそう、ありがたいことに、通路が一杯になるくらいたくさんお祝いのお花をいただいた。