ミステリーショッパーが潜入調査! 原宿人気サロンのカット技術、接客…気になるサービス実態とは!?
カットの前にシャンプーを。担当したのは新人アシスタント
『シャンプーをいたします。よろしくお願いします』
爽やかな笑顔で挨拶してくれたのは、アシスタントの加藤(仮名)くん。まだ入社したてみたいで初々しい。
『お湯の温度はいかがでしょうか?』
『大丈夫です』(いや、お湯がヌルい。シャンプーする前に自分で温度を確認してないやーん)
『おかゆいところありませんか?』
『あっ、大丈夫です』(足がかゆい、とは言っちゃダメだよね)
シャカシャカシャカ。さっきから頭が揺れている。おかげで顔に覆われている白い布がズレるという始末。
シャカシャカシャカ。布を直す。
シャカシャカシャカシャカ。再び布を直す。
シャカシャカ。またまた布を直す。
シャカシャカシャカシャカ。アゲイン。
シャンプーをするのも美容師の技術の一つなのでは…。もしかして美容室『S』は技術がそんなに高くないのかしら? 田中さんのカットに一抹の不安が。それなりに高いお金を出しているので、シャンプーこそちゃんとして欲しかったかな。ここはマイナスポイント。
さっ、新人アシスタントさんのシャンプーは終わった。続いてカットへ。
『今日はお休みなんですか?』という定番質問をしてからカットし始めるイケメン田中さん。
『はい。フリーライターとして働いているので、基本的に休みは自分で決めるんですよ』
『なるほど〜。ライターって何をするんですか?』
『わたしの仕事ですか?(ペラペラペラ。得意分野の話なので饒舌に話始めるわたくし)……という感じで仕事していますね』(ドヤっ)
『うわー、そんな仕事もあるんですね。知らなかった。いいね〜。羨ましい』
『いえいえ、そんなことないですよ』
おっと、わたくしのことを話している間にも髪がどんどん切られていく。いや〜、田中さんの何がすごいって、ずーっと喋っていながら、ハサミの種類を変えて、迷うことなく高速で切っていくところ。高速すぎて、ハサミが見えない。しかもリズムを刻みながら切っている。これがカット講師の技術か!? アシスタントさんのシャンプー技術とは雲泥の差です。
『髪を切るスピード早いですね』
『もう仕上がりのイメージができているので、あとはそのイメージ通りに切っていくだけなんですよ』
『ショートボブにするためには、どれくらいの長さが必要ですか?』
『耳下15センチくらいは必要かな』
『(しょぼ〜ん)そんなに……』
『写真だと短くても大丈夫かなって思えるですけど、実際に切るとなると違うんですよね。でもお客さんはそれが分からないのが当然で。お客さんの希望をどれだけ実現できるかが、プロである僕らの仕事なんですよ』
『プロである僕ら』と言ったときの田中さん、渾身のドヤ顏でした。自分の技術に自信があるんですね、きっと。だから堂々とした態度。ちょくちょく出てくるタメ口は、スルーしましょう。
ドライヤーで髪を乾かすとき、わたくしの足元に落ちた髪をドライヤーの風で吹き飛ばす田中さん。こうするとお客さまが歩くときに髪を踏まないからね。さりげなく足元周辺をクリーンに。この細やかな気遣いに、カンドーです。