街の美容室vol.19 三軒茶屋

―そうして育てた感性が、お客さまの髪型をつくるのに、生かされていくのですね。

 

 

日々の小さな積み重ねで感性が磨かれて、お客さまが、女優やモデルの写真をもってきて「この髪型にしてください」とオーダーされたときに似合わせることができると思うんです。

 

どんなオーダーでも技術があれば切れますが、それをお客さまに似合わせられる美容師は本当に少ないと思います。一人ひとり、髪質も骨格も違い、生きてきた歴史も違います。なぜお客さまがその写真を持ってきたのか、なぜその髪型にしたいと思ったのかというところも大事ですが、自分自身が自分に似合うスタイルを探求した経験を積んでいなければ、お客さまの「自分づくり」の相談にのることはできません。

 

「自分づくり」へのアドバイスは、本当に感覚的なことだから結構むずかしくて……。自分自身がいろいろなことを知らないといけないし、経験していないといけない。だからぼくは今でも毎日、自分の好きなことに対する探求を継続しています。

 

美容師としての技術の鍛錬に加え、自分の中にさまざまな引き出しを24時間かけて育て続けるのが、本物の美容師だとぼくは思います。だから朝まで飲むのも勉強だと思うし、周りの友だちやいろいろな業界の人とのつながりも勉強だと思っています。

 

―今後目指すのは、どんなところでしょうか。

 

 

ぼくは三軒茶屋という土地に育てられました。大人になってお酒を飲みはじめて、いろいろな大人と出会って、勉強をさせてもらいました。今度はそうしたことを若い人に教えてあげたい、と言ったらおこがましいけれど、相談を受ければいろいろは話をしてあげられると思うんです。そうしたところで、何か一つでも恩返しができればと思っています。自分の好きなお店や知り合いのお店のショップカードも置いたりして。少しでも誰かの役に立てればいいなと思っています。

 

 

お店として、もっと、どんどんよくなっていきたいというのもありますね。室内や屋外の緑も、もっと充実させていく予定です。撮影のモデルさんにも「LIBRO」のモデルをすることがステイタスになるようなブランドづくりをしていきたいですね。

 

 

プロフィール
LIBRO
オーナー・スタイリスト
上田英晶(うえだひであき)

東京都、利島村出身。山野美容専門学校卒業後、自由が丘の個人店、その後「Hair&Make EARTH」に就職。デビューからわずか1年の25歳で、三軒茶屋店の店長に。その2年後には月1500万の売り上げを記録し、フランチャイズオーナーとして独立。2011年「Hair&Make EARTH」退社後、同年33歳で自身の美容室「LIBRO」を立ち上げる。

 

 

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